実店舗と比較してECサイトには7つのデメリットが存在する

「ECサイトのデメリットは何か?」

と店舗経営者が、オンラインでビジネスを始める前に慎重に検討しているのではないでしょうか?

最も大きいデメリットは、ECサイトを作っただけではユーザーがほとんどECサイトに訪れてくれないことであり、ECサイトへの集客のために「SEO」や「SNS」などを駆使する必要がある点です。そのためECサイトにおいてはWEBマーケティングのノウハウが最も大切となるのです。

本日はforUSERS株式会社でコンサルティングを担当している筆者が、ECサイトの7つのデメリットについて、実店舗と比較しながら解説します。

ECサイトの7つのデメリット

デメリット①手に取って商品を確認することができない
デメリット②商品が届くまで時間がかかる
デメリット③常にAmazonや楽天市場がライバルとなる
デメリット④マーケティングの難易度が店舗より高い
デメリット⑤カンタンに価格比較されてしまう
デメリット⑥接客による強みを発揮しづらい
デメリット⑦店舗のように一見客がほぼいない

デメリット①手に取って商品を確認することができない

店舗であれば、ユーザーは手に取って商品を実際に確認することができます。

特にアパレル商品においては実際にサイズや素材を確認するには商品購入において重要なことです。服や靴は試着することで、サイズだけでなくコーディネートや着心地なども確認できます。デザインがイマイチでも、着心地で購入を決めることもよくあります。

しかし、ECサイトではこのように商品を手に取って直接確認することができません。そのためECサイトでは下記のようなサービスがよく用意されております。

試着サービス(試着用の服を送付し、試着してから購入を決める)
バーチャル試着(自分の体のサイズをデータ化し、自分のサイズかどうかを決める)
返品自由(返品しやすくすることで、購入しやすくする)

しかし、インターネットでの買い物になれている若い層を中心に、ネットのサイズ表記から自分の身体に合う商品を探すことに慣れてきており、このようなECサイトのデメリット感が薄くなりつつあります。

デメリット②商品が届くまで時間がかかる

当然ですが、商品を購入者に発送しなくてはいけませんので、その分店舗よりも商品を手に入れるのに時間がかかります。Amazon Primeやヨドバシドットコムでは、東京の一部エリアの一部商品に対して、即日発送や翌日発送をしているサービスもありますが、全ての商品がこのような短い時間での発送は、物流拠点を構築する必要があり、カンタンではありません。

そのためECサイトでは、店舗よりも豊富な品揃えや、価格が店舗よりも安いなどのメリットがあるのです。

デメリット③常にAmazonや楽天市場がライバルとなる

日本国内では、Amazonと楽天市場のシェアは圧倒的です。その他にも大手のZOZOTOWN、ヨドバシドットコム、ビックカメラ、ニトリ、ユニクロなど有力ECサイトは多数あります。

そのため、多くのユーザーは小規模ECサイトよりもAmazonなどの大手ECサイトの利用に慣れており、小規模ECサイトは、常にAmazonや楽天市場と比べて、独自の品揃えや世界観を作る必要があるのです。

筆者自身も、ネットショップでの買い物はほぼ全てがAmazonですが、まれにAmazonで取り扱いのない商品に関して、小規模ECサイトで買い物するケースがあります。このようなキッカケが無い限り、小規模ECサイトでは、Amazonや楽天市場になかなか対抗できない現実があります。

デメリット④店舗よりもマーケティングの難易度が高い

店舗のマーケティングの経験がない方でも、看板やポップを作ったり、チラシを配ったりと誰でも思いつくマーケティング手法はいくらでもあります。しかし、それがWEBやECとなると経験やノウハウがないとマーケティングは非常に難しいでしょう。

例えば、ECサイトのマーケティング手法で有名なSEOやSNSがありますが、ノウハウがないとなかなか効果を出すことができません。もちろんYouTubeやブログ記事で数多くのノウハウが提供されていますが、やはり成功体験がないと、WEBマーケティング施策を行うのは不安な面があります。

初心者でも比較的、カンタンとされているのはInstagramのマーケティングです。まずはInstagramでフォロワーを増やすことから始めてみましょう。当然、Instagramでもアカウントを作って、適当な写真を毎日アップするだけでは、フォロワーを増やすことにつながりません。

デメリット⑤カンタンに価格比較されてしまう

ECサイトの商品は、スマホの少しの操作だけで全国で一番安いショップを探すこともできます。そのためどこでも買える商品を扱っている場合は、価格で負けているとなかなか商品を売ることができません。しかし、価格を全国一安くすることカンタンではありません。

少し前ですが、特に高価格である家電業界において、ショールーミングという、店舗で商品を確認して、購入はWEBで最も安い店でと言うユーザー行動が問題になることもありました。

ショールーミングとは?具体的な対策と事例を紹介

そのためECサイトでは独自商品であったり、ECサイトの世界観を好きになってくれるファンを作ることが非常に大切なのです。

デメリット⑥接客による強みを発揮しづらい

実店舗であれば、接客やサービスの良い店、あるいは雰囲気が良い店などは、商品の価格が高くても売れます。しかし、ECサイトでは接客による強みが、そこまで発揮できず、価格や商品力比較に陥りやすい面があります。もちろん、ECサイトであっても、チャットやメールで限定的に接客を行うことができますが、店舗ほどではありません。

このような理由から、ECサイトでは「価格面」や「品揃え」などの方が、重要とされているのです。ただし、ECサイトの接客が完全に無駄というわけではなく、欲しい商品をリコメンドで表示してくれたり、注文から商品が届くまでに、丁寧な自動返信メールが届くことは安心感につながります。

ただし、そのような接客は大手のECサイトほどしっかり行っているので、接客を強みとするのは非常に大変です。

デメリット⑦店舗のように一見客がほぼいない

例えば、住宅街に靴屋をオープンすれば、近くにいる人は散歩や通勤の際に店を見かけることになり、その中には靴屋を訪問する客が出てきます。しかし、ECサイトの場合、リアルのような商圏の概念がないため、このような一見客がほとんどいません。

そのため誤解している方が多いのですがECサイトを作っただけでは、ほとんど訪問がないのが実情です。そのため店舗よりもECサイトの方がマーケティングが非常に重要となるのです。

まとめ

ECサイトの7つのデメリットを解説しましたが、メリットも数多くあります。

◆ECサイトのメリット

・店舗に比べて運営費がかからない
・24時間365日販売することができる
・日本中、世界中のユーザー相手に販売することができる
・商品のアピールポイントやストーリーを写真や文章、動画を用いて時間の制約無く伝えることができる。

つまり、ECサイトにおいては「集客」して「売れる」仕組みをつくることができれば、圧倒的な利益を得やすいビジネスモデルなのです。そのために、まずはWEBマーケティングのノウハウを積み上げる必要がありますが、まずは、ECサイトを構築してみて、走りながら考えてみることも重要です。

デメリットばかり考えるのではなく、最初の一歩を踏み出してみましょう。