ECサイトに最低限必要な7つの機能とは?

もし、これから自作でECサイトを作ろうと考えたり、あるいは自社でECサイトの要件定義が行われた場合、ECサイトの機能を定義することもあるでしょう。ECサイトと言うと、だれもが使うものですが、実際にどのような機能が必要なのかは意外とわからないものです。

ECサイトの機能は細かくみれば数多くありますが、ゼロから作る要件定義において下記7つの機能を把握していれば問題ありません。なぜなら、この7つの機能は、どんなECサイトでも必ず実装されている必須の機能になるからです。

機能① 商品登録機能
機能② 受注機能(カートイン)
機能③ 決済機能
機能④ 在庫管理機能
機能⑤ 出荷管理機能
機能⑥ 会員登録機能
機能⑦ マーケティング機能

本日はforUSERS株式会社でコンサルをしている筆者が、ECサイトの機能を7つに大別して、一つずつ解説します。

ECサイトに絶対必要な7つの機能

まず、ECサイトをスクラッチでゼロから作る場合には、絶対に必須である機能が7つあります。この中にはサイト分析機能や、他システムとの連携は含まれず、どんなECサイトでも必要になる機能に厳選して解説します。

機能① 商品登録機能

商品登録機能は、販売する商品情報を登録する機能です。登録するものは以下のとおりです。

・商品ID
・商品写真
・商品タイトル
・商品カテゴリー
・商品説明文
・商品販売価格
・SEOに関するメタタグ等(H1、メタディスクリプション、メタキーワード)
・バリエーションがある場合SKUの登録(カラー、サイズ等)

一つの商品といってもこれだけ登録する必要があります。さらに必須ではないのでここでは加えませんでしたが「表示期間」という項目もあります。表示期間とはキャンペーン商品など期間限定で表示させたい時に使います。

また、ここで気を付けたい点が、もしECサイトで扱う商品がアパレルなどサイズやカラーがある場合は、SKU単位で登録できるようにしないといけません。そして商品IDを最小の単位にすべきなので、商品ID=1SKUの単位にしなくてはなりません。

SKUや商品IDの作り方は下記の記事が良くまとまっているので、参考にしてみてください。

読めばわかる!もう失敗しない「商品コード」の作り方

機能② 受注機能(カートイン)

ECサイトを代表する機能のことであり受注機能あるいはカート機能ともよばれます。カート機能とはECサイト内で「カートに入れる」ボタンを押すと、ユーザーがそのアイテムを保持して「注文する」ボタンを押すと、カート内の商品を決済することになります。細かい機能を開設すると

◆受注機能(カート機能)の詳細

・カート商品の削除
・カート内商品の個数変更
・送料や手数料、各種割引を適用した合計金額の表示
・ログイン状態を保持している限り、ショッピングカートの保持

などの機能が必要となります。なお、この受注機能に携わる画面のことを「カート周り」と言うことがあり、売上に影響する要素でもあるため、誰にでもわかりやすいUI(ユーザーインターフェース)が求められます。

機能③ 決済機能

決済機能は、自社開発するわけではなく使用する決済代行会社のサービスを選んで導入するイメージです。ECサイトにおいては主に下記の決済方法が使われます。

◆ECサイトでよく使われる決済方法

・クレジットカード決済
・銀行振込決済
・コンビニ決済
・代引き決済
・Amazon PayなどのID決済

いずれにせよ、決済代行会社と契約することになりますので、決済代行会社を決めた後、決済代行会社からプログラム実装指示書がもらえるので、それに従って決済機能を実装します。ECサイトにおいてはクレジットカードがらみの個人情報の漏洩が非常に多くなっていますので、決済においては個人情報をECサイト側で保持しない形が推奨されております。

機能④ 在庫管理機能

在庫の管理をする機能です。商品の受注が決まったら、ぞの分在庫の引き当てを行って在庫管理する必要があります。また、在庫が少なくなった時に管理画面にアラートを出すなどの仕組みが必要となります。

在庫管理機能があれば、どの商品がどのくらいのペースで売れてるかなどの分析も可能になるため、過剰に在庫を持ってしまうなどのリスクも減り、販売予測も立てやすくなります。

1つのECサイトだけの在庫管理であれば、特に難しい機能は必要ありませんが、Amazonや楽天市場に出店しているショップと在庫連携させたり、実店舗と在庫を統合する時は、在庫連携させる必要が発生します。

機能⑤ 出荷管理機能

受注した商品の配送までのステータスを管理する機能です。ステータスには以下のようなものがあります。

◆ECサイトのステータス一覧

・未配送
・発送済み
・配送完了
・キャンセル

また、銀行振込やコンビニ決済の場合は、これに加えて入金のステータスも管理する必要があります。なぜなら、これらの決済方法はユーザーから入金が行われないと発送手続きがおこなわれないためです。

・未入金

このように出荷管理システムでは、注文のステータスを管理する機能です。そのためステータスを変更すると同時に、ユーザーには自動配信メールを行うように設定する必要があります。ユーザーも注文してから商品が届くまでのステータスがわかれば安心して商品を待つことができ、ユーザーに対して丁寧な印象を持たすことができます。

発送済みのメールには、各配送業社の追跡番号を記載して、店舗側もユーザーも配送状況を逐一確認できるようにしておきます。

機能⑥ 会員登録機能

ECサイトには会員登録機能が必要です。なぜなら、ECサイトの売上を安定させるのはリピート購入であり、そのリピート購入をするために、会員登録機能は欠かせない機能だからです。会員情報があれば、新商品をメールでお知らせしたり、キャンペーンの告知を行うことができますし、次に紹介するクーポンやポイント管理機能を使って、ユーザーの満足度を高めることができるのです。

また、会員がログインした状態におけるECサイト内の閲覧履歴や購入履歴などのユーザー行動が把握できるため、よりパーソナルで効率的な販売促進が可能になりますし、サイト改善に活用することも可能です。

しかし、矛盾するようですが、会員登録機能と同時に、非会員でも購入できるゲスト購入は用意すべきです。なぜなら、ユーザーの一定数は会員になるのを嫌がるため、そのようなユーザーに対してはゲスト購入を用意すべきだからです。

機能⑦ マーケティング機能

クーポンやポイント、メルマガ配信などのマーケティング機能は、ECサイトのマーケティングを行う上で欠かせない機能となります。

特に新規顧客に対しては、クーポンやポイントを訴求して、初回購入をしやすくし、あるいは休眠顧客や優良顧客には、買い物を促すためにも利用します。クーポンは使える期間を指定できますが、貯めることができませんし、おつりも発生しません。それに対してポイントは貯めることができます。

また、クーポンやポイント機能があれば、クレームやトラブル発生時に、ユーザーに対して謝意を表すこともできるツールとなるので、ECにおいてマーケティングのためというより、運営を支える機能とも言えるのです。

さらに、会員登録時の情報と紐付けて、誕生日クーポンなどユーザー個人に宛てたクーポン発行やポイント付与をすれば、顧客満足度も大きく高まるでしょう。

そして、マーケティング機能に欠かせないメルマガ配信は、リピート購入を促進させるために新商品を訴求したり、キャンペーンを行うために使います。

ECの機能を知るには、無料のECカートシステムに登録してみるのが一番

もし、この記事を見て概念的に覚えるのではなく、実際に使いながらECの機能を勉強したいのなら、無料のカートシステムに登録してみましょう。下記のような、無料のECカートシステムなら誰でもすぐにECサイトを始めることができます。

・BASE
・STORES
・カラーミーショップ

無料といっても、ECに必要な機能は全て実装されているだけでなく、年々機能を拡張しているので必ずECの機能を把握するのに役に立つはずです。まずは、各ECカートシステムのホームページで搭載されている機能を確認してみましょう。

まとめ

ECの機能は、数多いとはいえ代表的な機能は本日の7つだけです。もしBtoBであったり、デジタルコンテンツ、定期販売を行いたいという場合であるなら、特別な機能が必要となりますが、それらの特別なECサイトであっても、基本機能は同じです。

拡張可能なECサイトであれば、まずは最低限の機能から運用をスタートし、マーケティング上の必要に応じて、ランキングやレコメンド機能、チャット機能、アクセス解析機能などの追加機能を拡充していきましょう。

まずは、ECの基本的な機能を抑えて、あなたのプロジェクトの与件に役立ててみてください。