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ECサイトを立ち上げて、EC事業を起業するという方にとって、一番大切なことは「商品企画」ですが、それと同じくらいECサイトの運営ノウハウが問われます。

この記事では、起業してから最初の半年間に覚えておくべきことを5つのステップに分けて解説しております。

ステップ① ECサイトの構築は、本気なら「Shopify」コスパ重視なら「STORES」
ステップ② 集客はSEO対策よりもSNS運営に力を入れる
ステップ③ 目玉商品を作って、ECサイトの初回購入を成功させよう!
ステップ④ リピート購入とはユーザーとコミュニケーションを増やすことと考える
ステップ⑤ 広告はFacebook広告などのSNS上の広告を中心に実施する

この5つのステップを意識するのとしないのでは、大きな差が出るはずです。なぜなら、筆者は今までコンサルとして多くのEC事業者を見てきましたが、その多くが失敗しており、それらの失敗をしないように作ったのがこの5つのステップだからです。

本日は、forUSERS株式会社でマーケティングを担当している筆者が、ECサイトで起業する方のために最低限必要な知識やノウハウをこのブログで解説するので、是非最後までご覧ください。

ECサイトの起業にかかる費用はミニマム20~30万円

まず、5つのステップの前に、起業にかかる費用について解説します。ひと昔前と違い、ECサイトはほぼ無料で開設できるようになったこと、また起業に必要なツールやソフトも、無料や月額数千円のものがあることを考えると、ECサイトの起業にかかる費用の多くは「商品仕入れ代」となります。

売れるかわからない商品を数百万円をかけて仕入れるのは博打のようなものです。まずは20~30万円で商品を仕入れてみれてみましょう。原価2,000円から3,000円のものが100個以上仕入れることができますし、そもそも無名のECサイトが100個の商品を捌くには相当な時間を要するからです。

ECサイトの商品仕入れについては下記で解説しているので、そちらをご覧ください。

参考記事:仕入れ未経験者のためのEC販売における仕入れ業者の探し方

倉庫などの費用もありますが、冷凍が必要な商品でない限り、自宅やオフィスを倉庫代わりとして利用できますし、1商品から発送まで行ってくれるSaaS型の倉庫サービスもあるので、そのようなサービスを利用しましょう。

また、ECサイトで軌道に乗るまでの半年間は無給に近い状態になるため、生活を維持するためには副業でECサイトを始めるのが良いでしょう。

それでは早速、起業してから最初の半年間に覚えておくべき5つのステップについて、一つずつ解説してまいります。

ステップ① ECサイトの構築は、本気なら「Shopify」コスパ重視なら「STORES」

いまから、ShopifyとSTORESを紹介しますが、筆者がおすすめするのは「Shopify」です。それでは、それぞれおすすめする理由について解説します。

ECサイト運営に本気なら「Shopify」である理由

もしECサイトでの物販で絶対に成功したいのなら、最初からShopifyを導入すべきでしょう。その理由は、Shopifyを導入すれば、実現したい事がボタン一つで実施できるからです。例えば「ECサイト内にチャットボックスを置きたい」あるいは「商品ページの下に関連商品を独自のルールで関連商品を露出したい」など、自分でやりたいことがエンジニア無しでカンタンに実装することができるからです。

つまり、Shopifyは世界中で無数の機能やアプリが今現在も作られ続けており、最先端のマーケティング施策も実施することができるのです(アプリには無料と有料のものがあり、施策ごとに費用もかかる場合があります)。

また、そのアプリを使いこなすための情報も、インターネットやYouTubeで検索すれば多くの解説を見つけることができるので、情報にも困りません。ただし、英語の情報も多いので、英語が苦手な方はGoogle翻訳など使って情報収集を行いましょう。

Shopifyはベーシックプラン:月額33ドル(日本円で約5,000円)からありますが、まずはベーシックプランから始めてみましょう。確かに、STORESやBASEなら固定費用が無料ですが、機能が断然違いますし、またECサイトで成功するにはある程度プラットフォーム費用はかかります。

しかし、すでに商品力がありSNS等で有名でブランド力もあるため、マーケティングがそこまで必要ないという方、あるいは店舗販売の補完的にECサイトを作るという方は、固定費がかからず、BASEよりも手数料の安いSTORESを使うべきでしょう。

固定費をなるべく抑えて、ECサイトを運営するなら「STORES」にすべき理由

BASEもSTORESも細かい機能において違いはありますが、それは大きな違いと言うほどではありません。ですから、固定費をなるべくかけないというケースにおいてはSTORESにすべきです。下記をご覧ください。

◆BASEとSTORESの費用の違い

BASE(スタンダードプラン) STORES(フリープラン)
初期費用 0円 0円
月額費用 0円 0円
決済手数料 (注文のたびに)3.6%+40円サービス手数料3% 5%

つまり、STORESは決済手数料が安いためECサイトにかけられるコストを抑えることができるのです。

BASEが特に優れている点としては「PAY ID」と呼ばれる独自のショッピングモールに出店できる機能がありますが、筆者がBASEで運営している個人事業者に聞いたところ、そこまで大きな集客になっているというわけではなく、STORESとBASEともに、Instagram連携ができるので、BASEやSTORESなどの固定費無料のECサイトで運営する場合は、決済手数料をなるべく抑えるのがコツとなります。

ただし、有料のShopifyと比べてみると機能の制限があり、またBASEやSTORESの有料プランと比べても、Shopifyの自由度や拡張度は比較になりません。そのためECサイトで年商1億円以上を目指すなら、最初からShopifyにすべきであると筆者は考えるのです。

ステップ② 集客はSEO対策よりもSNS運営に力を入れる

筆者の本業はSEOコンサルタントです。サラリーマン時代を含めると、すでに15年以上SEO対策を実施しておりますが、集客のために今からECサイトを起業するという方にはSEO対策はおススメしません。

なぜなら、すでにSEOは大手企業が圧倒的有利な時代になってしまいました。個人や中小企業がSEOで成功するのは相当なノウハウが必要であり、SEOのノウハウがないという方は、SEO対策をすべきではないからです。

それよりも、集客に力をいれるべきはSNS運営です。アパレルや化粧品、健康食品などの場合はInstagram運営、50代以上のシニアがターゲット層なら、Facebookページなど、ターゲット層に合うSNS運営を始めましょう。そこに全精力をかけるべきです。

SNS運営はSEOよりも集客において利点があります。それはユーザーとコミュニケーションがとりやすい点です。SNSであれば、ユーザーから反応があればコメントで返信することができるので、ユーザーとの関係値が高まり、そのままファンになってくれる可能性が高まります。

しかし、SEOは一方向のやり取りであるため、双方向のSNSと比べるとファンを生みにくいメディアなのです。この記事では、InstagramやX、Facebookなどの各SNSの施策については解説しませんが、YouTube動画では、それぞれのフォロワーを増やす方法について、詳しく解説されているので、少なくとも10本は動画を観てノウハウを学んでみてください。

ステップ③ 目玉商品を作って、ECサイトの初回購入を成功させよう!

SNSや口コミで、少しずつECサイトに訪れる人が増えても、ECサイトの商品がカンタンに売れるわけではありません。なぜなら多くのユーザーはAmazonや楽天市場、あるいはZOZOTOWN、ユニクロなどの大手ECサイトでの購入に慣れており、聞いたことのない小さいECサイトではよほどの大きい理由がないと初回購入をしてくれません

そこで、ECサイトには「目玉商品」が必要となります。カンタンに言えば、新規で訪れたユーザーも、その商品を見たら買わざるを得ないという商品のことです。目玉商品を最もカンタンに作る方法は、商品原価を割った、あきらかに安い商品を設置することです。当然、商品が売れるたびに赤字になります。

しかし、その費用をマーケティング費用とらえて、ユーザーに会員登録をしてもらいます。そうすることで、既存ユーザーとして、メルマガを送付することやDMを送付することもできます。なにより、ユーザーが知らないサイトで商品を注文し、家に商品が無事届いたという成功体験があれば、ユーザーも以下のように思うはずです。

◆目玉商品を買ったユーザーの気持ち

「安いからびっくりしたけど、ちゃんと商品が届いた!機会があれば、またこのECサイトで商品を買ってもいいな!」

つまり、目玉商品の設置で初回購入を成功させることができれば「リピート購入」してくれる可能性が生まれるのです。マーケティングの世界では、新規ユーザーより、既存ユーザーの方がマーケティング費用が5分の1で済むという法則もあり、既存ユーザーに商品を売る方が、はるかにカンタンなのです。そのため、ECサイト運営においては、初回購入を成功させるという意識が非常に重要になります。

ステップ④ リピート購入とはユーザーとコミュニケーションを増やすことと考える

次にリピート購入について解説します。リピート購入のためにCRMを使ったツールやマーケティング手法などがよく語られますが、そのようなツールを入れただけではリピート購入が増えることはなく、単なるしつこいメルマガ施策となり下がってしまうでしょう。

リピート購入を増やすためのコツは、ユーザーとコミュニケーションの機会を増やすことにあります。例えば、あたなの行きつけのバーやレストランがあったとします。そこに繰り返し行く理由は以下のようなものではないでしょうか?

◆行きつけの店によく行く理由とは?

① 商品が良い
② 世界観が好き
③ リーズナブルな価格
④ スタッフとよく話す(コミュニケーションがある)

このいずれかをECサイトで満たすことで、リピート購入しやすくなるのです。つまり、①~③というのは商品やECサイトのコンセプトに依存しますが、④に関してはどんなECサイトでも対策を実施することができます。では、ECサイトでコミュニケーションをとれる場やタイミングには、どのようなものがあるでしょうか?

◆ECサイトでコミュニケーションをとれる場やタイミング(双方向で)

・ユーザーからの問い合わせ
・ECサイトに設置したチャット
・SNS

ECサイト運営において、労力を減らすためになるべくユーザーと接点を持たないように運営する方法もありますが、ECサイトで起業する場合は、最初はユーザーと多く接点を持って、コミュニケーションをとることが大切です。この結果、ファンを作り、ファンが勝手にSNSなどで商品の宣伝をしてくれたり、商品をリピート購入してくれるようになるからです。

この点は、著書「ひとりEC」で有名な三浦卓也さんが実践しており、その著書には「購買促進のカギは速レス&ウェットなやりとり」と解説されており、筆者も感銘を受けました。今からECサイトで起業する方は、ミウラタクヤ商店の情報を全て参考とすべきでしょう。※下記は三浦氏のNote

参考:ミウラタクヤ商店の運営を「ひとり」でやることに、こだわる理由。

ステップ⑤ 広告はFacebook広告などのSNS上の広告を中心に実施する

効果の高い広告としては、Google広告がありますが、予算をかけるなら自社のSNSと連動した形で広告を行うべきでしょう。例えば、自社Facebookアカウントにアクセスした人は、ターゲット層である可能性が高くなります。そのような方に、追客としてSNS上でリマーケティング広告を出すことで効果が高くなります。

もちろん、リターゲティング広告はGoogle広告にもありますが、WEBサイト上のバナーは誤クリックが多く、またあらゆるWEBメディアにはバナー広告が大きく掲載され、ユーザーはバナーに飽きております。

それよりも、SNS上に表示する広告であればWEB広告よりも効果が高くなるので、SNS広告においてリマーケティング広告を中心に予算を回すことで、少ない予算を有効に使うことができます。

まとめ

ECサイトを作るのはカンタンですが、集客して売上を高めるのはカンタンではありません。そこではEC担当者の本気度が求められます。情報収集も大切ですが、まずはやってみる!という意識が重要です。

Shopifyは月額5,000円程度で開始でき、無料期間もありますので、まずは立ち上げてみて走りながら考えるということを実践してみてください。

なぜなら、自分で体験することに勝る情報収集はないからです。あなたのECサイト起業が上手くいくことを祈っております。