ユニファイドコマースは、実店舗やECサイト、アプリなどの各チャネルが統合されることで、ユーザーはチャネルを意識せずに購入・返品・情報を得るができるため、ユーザーに対して最高のUX(顧客体験)を提供できる施策です。
オムニチャネルとユニファイドコマースの違いは、ユニファイドコマースはよりUX(顧客体験)を改善することで、売上を高めることに注力している点があげられます。例えば、ビームスや資生堂が実践している「スタッフのデジタル利用促進」をすることでUXが改善され、ユーザーのリピート購入や店舗誘導が増えて、結果として売上が促進されます。
本日は、forUSERS株式会社でコンサルをしている筆者が、ユニファイドコマースの5つの事例について解説いたします。
ユニファイドコマースを実践している国内事例5選
それでは、国内でユニファイドコマースを実践している5つの優れた事例を紹介しますので、特に自社に近い業態や業種であれば、ぜひユニファイドコマース実践の参考にしてください。
事例① ユニクロはECサイトから店舗への誘導を強めている!
事例② JINSアプリは店舗と同じ試着ができるためUXが良い
事例③ ビームススタッフのデジタル利用の促進
事例④ 無印良品はアプリで顧客行動を把握し店舗とECを補完関係を強化!
事例⑤ 資生堂はパーソナルビューティーパートナーによるオンラインカウンセリングを実施
事例① ユニクロはECサイトから店舗への誘導を強めている!
ユニクロの店舗は国内だけでも800店舗※あります。47都道府県で単純に割っても1都道府県に17店舗ある計算です。さらに人口の多い地域に集中的に店舗があることを考えると、日本全国の街にユニクロの店舗があることになります。
※店舗数 | FAST RETAILING CO., LTD.
ユニファイドコマースを実践するには、顧客情報を集めなくてはなりません。ユニクロではこの店舗拠点を利用して、絶えずECサイトやアプリのダウンロードを促す仕組みがあります。
例えば、ECサイト限定サイズやECサイト限定商品を用意して、店舗からECサイトでの買い物を促したり、あるいはレジでも店員がアプリの利用を尋ねることを徹底することで、店舗を拠点にしてECサイト(アプリ)への誘導を強化しているのです。
ユーザーがユニクロのアプリやECサイトを使って買い物をすることで個人情報に紐づいた購入履歴を収集することができ、こういったデータを収集することで、一人ひとりにあわせたマーケティング施策を実施することができるのです。下記のデータをご覧ください。
◆ユニクロのECと店舗と併用においての繰り返し購入を比較
店舗やECサイトだけで買い物するユーザーよりも、店舗もECサイトも利用するユーザーの方が年間購入額が大きいのです。
そのためユニクロでは、ECサイトで購入した商品の受け取りに店舗を指定することができ、ユーザーが店舗に訪れると「せっかくだから靴下でも…」という具合にクロスセルさせるなど、ECの利用を進めることで店舗の売上も拡大することができのです。
ユニクロは多くの店舗拠点を活かしながら、アプリやECサイト利用者も増やして顧客データを分析し、より規模の大きなユニファイドコマースを実践しているのです。
事例② JINSアプリは店舗と同じ試着ができるためUXが良い
オリジナルのメガネを販売する「JINS」のアプリは非常に便利です。筆者も利用しているのですが、アプリに保存される購入履歴が商品の保証書を兼ねているため、紙の保証書を保存しておく手間が省けます。メガネでは
「レンズに傷がついた」
「度が合わなくなった」
「フレームがゆがんだ」
ということが良く発生します。しかし、JINSのアプリがあれば、店舗の前を通った際に気軽に入店しアプリを見せることで問題に対応してくれます。また、新しい眼鏡を購入する際も、アプリをもっていけば「この前と同じ度数で良いですか?」とスムーズに対応してくれます。
そして、JINSのECサイトでは、PCやスマホのカメラを使って、店舗での試着のように自分の映像で商品を合わせることができます。
◆JINSアプリでの試着の様子(横を向いても問題ない)
このアプリは、上記のように正面だけではなく横を向いても自然に合成してくれるため、本当にメガネを試着している体験を得られることができ、ECサイト上でもメガネとの相性に納得した上で購入ができます。それでも不安のある人は店舗で確認をすることになり、アプリが店舗へ誘導する一助ともなるのです。
店舗でもアプリでも同じ購入体験ができるJINSでは、このようにUXを高める工夫がされており、まさにユニファイドコマースを実践している企業と言えます。
事例③ ビームススタッフのデジタル利用の促進
アパレル店舗に行けば、洋服やトレンドに詳しいスタッフからコーディネートのアドバイスをもらったり、おススメの商品を聞いたりすることができます。筆者も20代後半は千葉そごうのTAKEO KIKUCHIに馴染みのスタッフがいて、いつもスタッフの意見を聞きながら服を購入しておりました。
ビームスではスタッフのデジタル化を実践しており、ビームスのECサイトにはビームスのスタッフが自分の写真を投稿できる「BEAMS CLUB」があり、スタッフの馴染みのユーザーが、アプリでお気に入り店員のコーディネートを「お気に入り」にしたり、SNSでシェアすることができます。
◆BEAMS CLUB
ユーザーからすると、お気に入りの店員に対して店舗とネットの両方で接点が持てます。お気に入りの店員のコーディネートがあれば、それをECサイトで購入したり店舗に訪れるキッカケとなります。スタッフにしてみても店舗とECサイトでの両方の接客ができるのです。
つまり、スタッフをデジタル化することで、ユーザーはいつでもお気に入りのスタッフと接することができ、それがキッカケで店舗に誘導したり、あるいはECサイトで購入させることもできるのです。ビームスは、スタッフという財産を上手くデジタル化することで、ユニファイドコマースを実践しているのです。
事例④ 無印良品はアプリで顧客行動を把握し店舗とECを補完関係を強化!
無印良品は「MUJI passport」というアプリを展開しており、このアプリの特徴は買い物をしなくても、口コミを書いたり店舗でチェックインするだけでもマイルおよびショッピングポイントを貯めることができます。
◆MUJI passport
このアプリ展開の背景には、無印良品では顧客との接点の時間「顧客時間」を重要視しており、アプリや店舗との顧客との密度を計測しているのです。
これにより無印良品では、商品毎に以下のような行動を把握することができました。
◆人気の衣料品のユーザー行動
① まずアプリで在庫がある店舗を確認
② 在庫のある店舗に行き試着して購入
◆家具の購入者のユーザー行動
① アプリで家具を検索する(カタログ閲覧)
② 店舗で家具を確認する
③ ネットで注文する
これらの無印ファンのユーザー行動を把握することで、店舗とネットを別々に考えるのではなく、補完関係や相乗効果があることを発見したのです。このように無印良品では、ECサイトの売上に固執せず全体の売上をあげるための最適解を考えており、ユニファイドコマースを実践するためにアプリの機能拡張を行い、機能を拡大しているのです。
事例⑤ 資生堂はパーソナルビューティーパートナーによるオンラインカウンセリングを実施
コロナ禍においては、コスメ業界にも大きな影響がありました。しかし、資生堂ではDXを進めており、オンライン上でも店舗と同様にパーソナルビューティーパートナー(PBP)のカウンセリングを受けることができます。
また、PBPの中には公式Instagramアカウントを持ち、資生堂の新製品やメイクを独自に紹介することで1万人以上のフォロワーに支持されているPBPもおります。
◆資生堂のパーソナルビューティーパートナーのInstagramアカウント
参考:資生堂パーソナルビューティーパートナー「まいやん」さんのInstagramアカウント(@maiyan_shiseido)
オンラインカウンセリングを実施したり、スタッフがInstagramアカウントで発信すること自体は、大きなシステム投資が必要なわけではありませんが、コスメユーザーは時間や場所を気にせずカウンセリングでき、また、オンラインカウンセリングがあることで店舗利用も促進されるというメリットがあるのです。
まとめ
小売企業がユニファイドコマースを実践するとなると、数億円以上のシステム投資が必要なイメージがありますが、部分的なユニファイドコマースであれば、ZoomやSNSを利用することで最小限の投資でユニファイドコマースを実践することができます。
ビームスや資生堂が実践しているスタッフのデジタル利用の促進は多くの企業で参考にできるはずですので、まずは小さくユニファイドコマースを実践して、UXを促進してみましょう。
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