ECサイトに特化した5つのSEO施策を現役コンサルが解説

ECサイトにおいて、SEO施策を実施する場合、どのように行うべきか?テクニカルSEOだけを対策すれば良いのか?SEOブログを始めるべきか?お悩みではないでしょうか?ECサイトで行うべきSEO施策は5つあります。

対策①商品ページへのSEO施策
対策②カテゴリーページへのSEO施策
対策③ファセットナビゲーションを使ったSEO施策
対策④レビューを利用したSEO施策
対策⑤コンテンツマーケティング(ブログSEO)

5つの施策全てを実行するのは困難ですから、すぐに実施できるものを見定める必要があります。もし商品数が多い専門店であれば、②と③の施策はすぐ実施が可能で、しかも高い効果が見込めます。そしてどんなECサイトでも⑤のコンテンツマーケティングを長期的に実施することで爆発的な集客をSEOで可能です。

本日はforUSERS株式会社でコンサルティングを実施している筆者が、ECサイトにおける5つのSEO対策を解説いたします。

ECサイトで実施すべき5つのSEO対策とは?

通常のWEBサイトやホームページのSEO施策とは異なるECサイト専門のSEO方法を含め、ECサイトで実施すべきSEO対策は下記の5つのです。

◆5つのECサイトのSEO対策

①~④はECサイト独自のSEO施策であり、⑤のコンテンツマーケティングはECサイトに限らず、多くの事業者がチャレンジしている方法です。それでは一つずつ解説してまいります。

対策①商品ページへのSEO施策

この方法は、商品名に関するキーワードにおいて、SEO上位を取得する方法です。EC業界においては、異なる多くの事業者が同じ商品を販売しており、そのためGoogleで、ユーザーが商品名を検索する際、上位にするための対策です。施策内容には以下の3点です。

・メタタグの対策(タイトル、ディスクリプション)
・商品写真をできるだけ多く掲載する
・商品説明文章をユーザー目線でしっかり書く

これらの対策を実施することで、例えば「dreamin eye 」※という商品名であれば、そのdreamin eye のことを最も理解できる内容の商品ページがSEO上位になる可能性が高まります。※眼のマッサージ器

あるいは「dreamin eye サイズ」と商品名に関して検索するユーザーがいた場合、大きさやサイズについて、しっかり書いている商品ページが上位になる可能性が高まるのです。下記をご覧ください。

◆「dreamin eye サイズ」と検索して、SEO8位

SEOの商品ページが上位の事例

通常、商品名に関するSEO上位記事は、メーカー、楽天市場、Amazon、メルカリなどに占有されていますが、一つだけ有名ではないECサイトの商品ページが上位表示されています。ページを見てみると、下記のようにしっかり商品のサイズ感や使用感について記載されているのです。

SEOの商品ページ事例

画像引用先:ドリーミン アイ(健康グッズ)

ただし、ニッチ商品であればSEO1位を取得しても効果が薄く、逆にソニーのデジタルカメラの「αシリーズ」などの有名商品であれば、SEO1位を獲得すれば効果は絶大ですが、ソニーの公式サイトやAmazon、楽天市場、カカクコムがライバルとなり小規模事業者に勝ち目はありません。

しかし、商品名や商品名に関する検索はECサイトのSEOの基本なので絶対に手を抜いてはいけません。逆にしっかり対策することで、検索結果の1ページ目も小規模事業者でも可能となるのです。

対策②カテゴリーページへのSEO施策

この方法も、ECサイトならではのSEO施策です。たとえば商品ジャンル名として以下のようなキーワードが存在します。

◆商品ジャンル名の例

・USB扇風機
・スマホケース
・カーディガン
・写真立て

このようなカテゴリー名(ジャンル名)キーワードでSEO上位を取得すれば、いずれも検索数が多く、ECサイトでの売上に飛躍的に貢献することになります。しかし、これらのキーワード上位を狙うのは容易ではありません。下記をご覧ください。

◆USB扇風機とGoogle検索した結果

USB扇風機と検索したGoogleの検索結果

このように、カテゴリーページのSEO上位はことごとく、Amazonや楽天市場、価格コム、ヨドバシドットコムなどの大手が独占しております。なぜなら、Amazonや楽天市場は無数の商品ラインナップがあるため、専門性が高くなりカテゴリーページとして価値が強くなるのです。しかし、そうではないジャンルも存在します。下記をご覧ください。

◆パーティードレスとGoogle検索した結果

パーティードレスとGoogleで検索した結果

◆上記キーワードのSEO順位の運営会社別

1位:パーティードレスのECサイト
2位:楽天市場
3位:パーティードレスのECサイト
4位:BUYMA
5位:ZOZOTOWN
6位:パーティードレスのECサイト

このような検索数が多いカテゴリー名でも、SEO1位、3位、6位は有名とは言えない専門店がSEO上位に食い込んでいるのです。

これらのECサイトは、Amazonや楽天市場のような大手企業ではないのですが、パーティードレスに特化した専門店であるため、専門店として価値が評価されているのです。

もし、あなたのECサイトがこのような商品ラインナップが豊富な専門店であれば、商品ページを多数掲載し、カテゴリー分けをしっかり行うことで、このような結果を出すことができます。

しかし、商品数を多数掲載することは、商品管理や在庫管理などでECサイト運営の大きな負荷となります。この点を覚悟し、多くの商品を掲載し、カテゴリー分けをおこなうことでSEO上位にすることができるのです。

対策③ファセットナビゲーションを使ったSEO施策

ファセットナビゲーションとは、楽天市場や旅行サイト、不動産サイトにも設置されている下記のようなナビゲーションを指します。

◆楽天市場のファセットナビゲーション(Tシャツのサイズや値段、色、メーカーを指定)

ファセットナビゲーション

つまり、ファセットナビゲーションとは、多数の商品がある場合、一つ一つ見るのは大変ですから、目的の商品を抽出するナビゲーション機能のことです。例えば以下のようなものを指定できるナビゲーションです。

◆ファセットナビゲーションの例

・価格
・メンズ、レディース
・サイズ
・メーカー
・色

ちなみに、Googleで「Tシャツ メンズ 黄色」と検索するとZOZOTOWNのファセットナビゲーションの結果がSEO1位を獲得しているのです。

◆ZOZOTOWNのファセットナビゲーションの結果が、SEO1位を獲得

ZOZOTOWNのファセットナビゲーション

このようなファセットナビゲーションは大規模ECサイトに使われることが多く、楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピングも採用しております。

しかし、この施策は大手だけのものではありません。もし、あなたのECサイトが専門店であれば、ファセットナビゲーションを設置すれば、ユーザーの利便性も増しますし、検索数の多いキーワードでSEO1位となることあるので、すぐに取り組むべきです。

ファセットナビゲーションはECシステムの仕様に関わるので、設置を検討する上で、現在使っているECシステムがファセットナビゲーションが実装可能かどうかを調べてみてください。

また、ECシステムによってはファセットナビゲーションという言葉ではなく、「左側ナビ」や「グローバルナビゲーション」という呼ばれ方もしておりますので、名称の違いは関係が無いので、名称の違うかからといって諦めないでください。要はファセットナビゲーションと同じ機能が実装できるかどうかが大切なのです。

対策④レビューを利用したSEO施策

Googleはコメント欄やレビュー欄が、ページ内容の本体として扱われる場合があると、Googleのジョンミラー氏も過去にツイートしております。

ジョンミラーさんのTwitter

そのため多数のユーザーレビューを集めて、健全なコメントが集めることができれば、商品名や、お悩みキーワードでSEO上位を目指すことができます。下記は「ここひえ レビュー」※と検索するとSEO1位の価格コムです。

※卓上のサーキュレーター

◆「ここひえ レビュー」

価格コムのレビューページ

このようにレビューがふんだんに書かれている価格コムは、商品のレビューや評判系でSEOを独占しております。価格コムのようにユーザーの商品レビューをたくさん集めることがSEO施策となるのです。ユーザーレビューの集め方は下記の記事に具体的なやり方を書いているので、是非ご覧ください

過去記事:ECサイトの「レビューを圧倒的に増やす」7つのレビュー対策

対策⑤コンテンツマーケティング(ブログSEO)

企業ではコンテンツマーケティング、あるいはブログSEOと呼ばれる施策です。つまりブログ記事を書いて、ブログによって、狙ったSEOキーワードで上位を取得して、アクセス数を集める施策のことです。

あらゆる企業で最もSEO施策として実施されている施策であり、ECサイト以外でも多くの企業が実践しております。下記のようなブログ記事型のコンテンツをECサイトと同じディレクトリに設置して、それぞれのブログ記事で狙ったSEOキーワードで上位を実現して、アクセス数を集める方式です。

ECサイトのブログ戦略

下記のGoogleアナリティクスのデータは、筆者が実施したコンテンツマーケティングのアクセス数の推移ですが、数年でアクセス数が飛躍的に伸びていることがわかります。ブログ記事のメリットは、自社のビジネスと関連性のあることなら、どんなキーワードでも理論上はSEOで上位になることが可能です。

◆コンテンツマーケティングによるアクセス数推移

コンテンツマーケティングによるアクセス数推移

例えば、自社のECサイトのラインナップにない商品でも記事は書くことは可能であるため、自社の商品ラインナップを超えて、多くのキーワードを狙うことができるのです。

ECサイトでブログ形式によるコンテンツマーケティングの具体的な実践方法については下記の記事をご覧ください。

参考記事:ECサイトで行うSEOはブログ形式が最も良い3つの理由

まとめ

ECサイトで最も困難なことと言えば、集客です。また広告をかけると少額価格の商品が多いECサイトでは利幅が小さくなるため、利用しづらい面があります。そのためECサイトにおいては、集客する仕組みを工面する必要があるのです。その方法として、ECサイト担当者ならSEO施策はいますぐ実施すべきです。

SEO施策の効果を実感できるのは、早くても三か月後で一年以上かかることも珍しいことではありません。広告などの短期的施策を実施しながら、中長期的施策を実施しましょう。