ECサイト運営が辛い大きな理由はアクセス数が集まらない

ECサイト運営で最も辛いことは、ECサイトを作ってもアクセス数が集まらず、商品がほとんど売れないことです。なぜなら、ECサイトはあらゆるジャンルで無数にあるだけでなく、多くの人が楽天市場やAmazonで購入するため、せっかく作った自社のECサイトにわざわざ訪れる人がほとんどいないからです。

そのため、ECサイト運営においては以下のような集客施策が行われます。

・商品ページのSEO対策
・ブログ記事の作成
・SNS運用

しかし、これらの施策は労力がかかるだけでなく、成功するためのノウハウが必要であるためカンタンではありませんし、また競合もこのような施策をしているため、競合サイトに勝たないと成果をあげることはできません。

本日は、forUSERS株式会社で、マーケティングを担当している筆者がECサイト運営が辛い本当の理由を解説いたします。

大手にも関わらず、全く人が集まらなかったECサイト運営の辛い経験談

筆者の過去の経験ですが、当時所属した英会話スクールでマーケティングを担当しており、2010年頃にECサイトを立ち上げました。ECサイトの立ち上げにあたっては、予算があったのでコンサル会社をいれて、業務フローを作りECプラットフォームを検討して、半年間の準備期間を経てECサイトをオープンさせました。

しかし、大手企業にも関わらずアクセス数は月間1,000PV以下であり、アクセス数のほとんどが新規顧客ではなく、店舗からの既存会員が中心となりました。そのため月間数件しかCV(注文)が入らず、大変辛い経験となりました。

アクセス数が少ないため、せっかく用意したスタッフも暇を持て余す結果となり、数字を出すために広告を打って、かえってROIを悪くする結果となりました。

このように、ECサイト運営にとって最も辛い経験とは、間違いなく「アクセス数が集まらない」ことだと筆者は断言します。もし、アクセス数が集まっていれば、多少のバックエンド作業が負担になっても、それは嬉しい負担であり、アクセス数が集まらないと何も行動することができません。

なぜ、多くのECサイトはアクセス数が集まらないのか?3つの理由を解説します

それでは、なぜ自社ECサイトにアクセス数が集まらないのか?その大きな3つの理由を解説します。

理由① Amazonや楽天市場、ZOZOTOWNなどのショッピングモールに勝てない

まず、あなたがよく使うECサイトはなんでしょうか?おそらく以下のようなECサイトではないでしょうか?

◆大手ECサイト

・Amazon
・楽天市場
・ZOZOTOWN
・ヨドバシ.com
・ビックカメラ
・ニトリ

つまり、ECサイト業界のほとんどのアクセス数は、このような誰でも知っている大手にまず集まります。そのため、立派なECサイトを作っても、立ち上げたばかりでブランド力がない企業はカンタンにアクセス数を集めることはできません。

また、大手企業であっても、ECサイトの存在を周知させなくてはアクセス数が集まるものではありません。筆者もかつて所属した企業は、年商100億円以上の大手企業でしたが、当時は店舗需要がほとんどでECサイトにはアクセス数が集まりませんでした。

理由② Googleのコアアップデートにより、大手企業がSEOで優遇されるようになったため

Googleコアアップデートとは、Googleの検索エンジンの定例のアップデートであり、年に2回ほど実施されます。しかし、このコアアップデートですが、2023年には4回も実施されております。

◆2023年のGoogleの検索エンジンコアアップデート

1回目:2023年3月15日
2回目:2023年8月23日
3回目:2023年10月6日
4回目:2023年11月3日

コアアップデートについてはこちら:Google 検索のコア アップデートとウェブサイト

その結果、多くの個人サイトやドメインの力が弱い中小企業が検索結果上位からいなくなり、代わりに大手企業やSEOのノウハウのあるメディアサイトがSEO上位を席捲するようになりました。そのため、SEOの難易度が高くなり、商品ページのSEO対策や、オウンドメディア(ブログ記事)による集客が非常に難しくなったのです。

理由③ Instagram運用などSNSはカンタンではない

2018年ごろから、アパレル業界や化粧品業界の集客は、検索エンジンの集客からSNSの集客が中心になりつつあります。特にInstagramの影響力はこれらの分野では、非常に強くなっております。筆者は、化粧品業界のマーケティングを調査するにあたり、10代~40代の5人の女性に以下のアンケートをしました。

◆質問:新しい化粧品が欲しい時、何を参考に見ますか?

・Instagramのインフルエンサーの投稿:3人
・Instagramの過去投稿の保存:1人
・WEBの口コミサイト(アットコスメ等):1人

※N数=5

化粧品業界では、このようにWEBの口コミよりもInstagramの影響力が非常に強くなっているのがわかります。しかし、Instagram運用において、フォロワーを増やす完全なノウハウは確率されているわけではなく、ノウハウがないEC担当者がInstagramの公式アカウントでフォロワーを増やすのは非常に難しいことです。

大手企業が実践しているのは、Instagramのインフルエンサーとタイアップを行うことで、自社への流入を増やしています。インフルエンサーへの支払いはケースバイケースですが、フォロワーが10万人以上となると10万円以上はかかりますので、予算がない企業にはハードルが高くなります。

多くのECサイト運営者のInstagramアカウントのフォロワー数は、1,000人未満ではないでしょうか?

ECサイトでアクセス数が集まらないとEC担当者どうなるのか?

ECサイトでアクセス数が数年たっても集まらないと、以下のようなことになります。

◆ECサイトでアクセス数が集まらないと起こる事とは?

① ECサイトの閉鎖
② 担当者の変更
③ 上司の介入
④ EC事業の売却
⑤ ほそぼそと労力をかけずに運営を続ける

筆者は、今までコンサルとして数々のECサイトを見てきましたが、アクセス数が集まらないと、この5つのいずれかの運命をたどることになります。では、このような辛い結果とならないように、中小企業はどのようなことを行うべきでしょうか?

ECサイトのユーザーとコミュニケーションをとれる場所を増やそう!

小さなECサイトでは、まずはユーザーとコミュニケーションを増やす接点を増やすべきです。つまり接客を徹底的に行います。ユーザーとコミュニケーションを増やす接点には、以下のような場があります。

◆ユーザーとの接点

・メール問い合わせ
・ECサイトにチャットを設置
・ユーザーレビュー
・ブログ記事のコメント欄
・同梱物にQRコードでLINEアカウント紹介
・SNS

このような接点を把握して、少ないユーザーとしっかりコミュニケーションをとって、自社のファンを増やしていきましょう。筆者はYouTubeチャンネルを開設していますが、登録者数は1,100人程度ですが、以下のように多くのコメントが集まってきております。

◆筆者のYouTubeチャンネルのコメント欄

youtubeコメント欄

その結果、筆者は19,800円のデジタル教材をライブで4件も販売することができました。このように、まずは熱いファン作りが非常に重要です。ファンがいれば、そこを起点としてアクセス数を徐々に増やしていきやすい状態ができるからです。

ECサイトで結果が出ていれば「辛い」ことなどあまりない!

ECサイトでアクセス数が集まっていれば、バックエンド作業は苦になりませんし、バックエンド作業が問題であれば、スタッフを増やしたり外注を入れたりツールを導入するなどの施策がとれます。しかし、アクセス数が集まらず売れないサイトでは辛いままです。

アクセス数が集まらないサイトは、まずはユーザーとしっかりコミュニケーションをとることから始めてみてください。私がそのためにおすすめする書籍は、以下の「ひとりEC」です。ECサイト運営が辛いという方は、是非手に取ってみてください。

おすすめの書籍:ひとりEC 個人でも売上を大きく伸ばせるネットショップ運営術