創業1716年、奈良の工芸品SPAとして知られる中川政七商店は、22年間で売上4億円から92.3億円へと成長を遂げました。しかも広告費はほぼゼロ。2018年には売上の4割を占めていた楽天市場から撤退し、自社EC一本化という大胆な決断を下しています。
その成長を支えるのが、「接心好感」というブランド設計思想を軸にした7つのEC戦略です。LINEミニアプリで会員化率を3倍にし、独自CRM「MONJU」で購買ストーリーを読み解き、ReviCoでレビューを月間18倍に増やす。本稿では、各戦略の数値と仕組みをひもときながら、EC事業者が自社に応用できるポイントを解説します。
中川政七商店のEC戦略と広告ゼロ成長の全体像
まず、中川政七商店がなぜ広告に頼らずEC事業を成長させられるのか。その背景にある企業の強みと、戦略を貫く3つの前提条件を整理します。
売上92.3億円・67店舗の工芸品SPAが築いたEC基盤
中川政七商店は1716年(享保元年)創業の奈良の老舗です。麻織物の製造卸売業から、生活雑貨の企画・製造・卸・小売を一貫して手がける「工芸品SPA」へ業態転換し、2015年にポーター賞を受賞。ビジョン「日本の工芸を元気にする!」が全事業の設計原理として機能しています。
◆中川政七商店の企業概要
| 項目 | 内容 |
| 創業 | 1716年(享保元年) |
| 本社 | 奈良市 |
| 売上高 | 92.3億円(2025年2月期) |
| 従業員数 | 618名 |
| 直営店舗 | 67店舗 |
| 直営ブランド | 中川政七商店/遊 中川/日本市/茶論/ocasi |
| EC取扱SKU | 約5,000点 |
| 月間PV | 500万 |
| 会員数 | 71万人 |
| ECプラットフォーム | ecbeing |
2018年には創業家以外で初となる千石あや氏が社長に就任し、「ビジョン51%、利益49%」を人事考課の最上位項目に据えています。
楽天撤退・自社EC一本化・広告ゼロ|成長を支えた3つの前提条件
中川政七商店の広告ゼロ成長を理解するには、3つの前提条件を押さえる必要があります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
条件①ブランド体験を最優先する意思決定基準
2018年8月、同社はEC全体の4割を占めていた楽天市場から撤退しました。当時取締役CDOとしてDXを推進していた緒方恵氏(2021年退任)はその理由を「手数料等のコスト理由ではない」と明言した上で、「ブランドが求める体験ではない形で購買体験が積み上がることの方が怖い」と語っています。プラットフォーム上の制約で自社が求める表現やコミュニケーションができず、体験が良くなければ再来訪しないという判断でした。
撤退後も自社ECの改善を積み上げるたびにアクセス数と売上が伸びていた手応えが確信を支え、約10カ月で楽天分の売上を自社ECでカバー。2019年3月にはECサイトを大規模リニューアルし、スマホUXの刷新でPV数が前年比150%に増加しました。2021年にはコロナ禍の追い風もあってEC売上が前年比300%増を記録しています。
条件②「接心好感」を全社共通言語にしたブランド設計
「接心好感」とは、お客様の心に接し、好感を積み上げるという接客理念です。店舗研修では「今商品を買っていただかなくてもいい。お客様にお店やブランド、販売員を好きになって帰っていただけるようにしてください」と教えられるほど、この理念は接客の現場に深く根づいています。
言葉づかいのルールは送り仮名レベルまで数千語にわたって定義され、ECサイト上の表記にも「お中元」ではなく「夏のご挨拶のすすめ」を使うなど、中川政七商店ではとにかく「ブランドの世界観を崩さない基準」が重んじられ、現場を貫いているのです。
緒方氏は「広告は面で配信してごく一部の人に刺さる仕組み。私たちが大事にしているのは、広告で届かなかった残りの人たち。広告で好感を得るのは接心好感とは真逆のコミュニケーション」と明言しており、この思想がデジタル施策のKPIからツール選定にまで一貫して反映する仕組みになっています。
条件③少量多品種と在庫制約がもたらす戦略上の方向性
中川政七商店の取扱SKUは約5,000点。工芸品は手仕事が基本なので1商品あたりの生産数が少なく、毎週新作が投入されるため、棚の入れ替わりが非常に早いのが特徴です。
この環境では「商品Aを買った人に商品Bを勧める」といった商品単位のシナリオCRMが成り立ちにくく、5,000商品分の配信を個別に最適化すること自体が現実的ではありません。
この制約が、商品単位ではなく「カテゴリー×行動パターン」で顧客を捉えるクラスターCRM、終売後も記事を資産として残すコンテンツ設計、チャネルごとに頻度を分ける配信設計という独自路線を生みました。
中川政七商店のECマーケティング戦略7選
ここからは、同社が実践する7つのEC戦略を具体的な数値と仕組みとともに解説します。
- ①LINEミニアプリ会員証で会員化率を3倍に引き上げる仕組み
- ②メール週4×LINE週1|チャネル別の「層×頻度×目的」設計
- ③MONJU×8クラスターで「購買ストーリー」を読み解くCRM
- ④「迷子になるのが楽しいEC」を支えるコンテンツ資産化とAIレコメンド
- ⑤ReviCoで月間レビュー18倍増|レビューを「購買証拠」に変える設計
- ⑥EC送客を前提にした店舗評価制度とOMO設計
- ⑦さんち商店街×NKG倉庫|EC基盤を業界に開放する成長モデル
会員獲得から配信設計、CRM、コンテンツ、レビュー、組織設計、そして業界開放へ。7つの施策がどのように連動し、広告ゼロの成長を支えているのかを順に見ていきましょう。
戦略①:LINEミニアプリ会員証で会員化率を3倍に引き上げる仕組み
中川政七商店の「広告に頼らないEC成長」の起点は、店舗での会員化にあります。中川政七商店は2020年に店舗とECの会員IDを統合しましたが、Web会員証のログインが面倒で非会員のまま離脱するケースが課題となっていました。
ところが2022年6月にLINEミニアプリのデジタル会員証を導入したことで、状況は一変しています。以前は店舗ごとにLINE公式アカウントを運用していたものの、工数の問題からブランド1本に集約し、本部運用へ移行しました。
◆LINEミニアプリ会員証の導入前後の比較
| 指標 | 導入前 | 導入後 |
| 店舗購入の非会員→会員登録率 | 5% | 15%(3倍) |
| LINE友だち数(導入3ヶ月) | — | 11万人 |
| LINE経由EC売上 | — | 3倍 |
2025年時点で同社のLINE友だち数は45万人に到達し、LINE経由売上は2021年比で8倍、メッセージ配信経由のROASは平均665%に達したとされています。
店舗を持つ事業者にとって、「会員化の摩擦ゼロ設計」は広告費をかけずに許諾を獲得する最も再現性の高い施策です。まずは会員登録率+5〜10ptの改善を目標にするのが現実的でしょう。
LINEアプリは店頭でQRコードを読み取るだけで会員登録が完了する仕組みになっています。これはレジ前の数秒で離脱を防げる設計であると言えます。
戦略②:メール週4×LINE週1|チャネル別の「層×頻度×目的」設計
会員化した顧客への配信は、メールとLINEで明確に役割を分けて運用されています。
◆メールとLINEの役割分担
| 項目 | メール | LINE |
| 主な登録経路 | EC経由 | 店舗経由 |
| 登録者の特徴 | 高ロイヤリティ層 | ライト層が多い |
| 配信頻度 | 週4回 | 週1回 |
| CVR傾向 | 高い | — |
| 遷移率 | — | メールの4倍 |
注目すべきは、LINE一配信あたりの売上がメルマガより高いにもかかわらず、配信を週1回に抑えている点です。売上効率だけを見ればLINEの配信頻度を上げたくなるところですが、同社はあえてそうしません。これは店舗経由で登録したライト層が多いため、過剰な配信はブロック=「接心好感」の毀損に直結するという判断です。
一般的にLINEの平均開封率は55%(LINEヤフー社調べ)と高い一方、メールの日本平均開封率は31.75%(Benchmark Email 2024年レポート)にとどまります。中川政七商店はこうしたチャネル特性を踏まえつつ、ブランド体験の質を優先する独自の頻度設計で、ROAS平均665%(前年比+79.4%)を達成したのです。
戦略③:MONJU×8クラスターで「購買ストーリー」を読み解くCRM
CRM戦略の中核を担うのが、独自開発のブランドギャップソリューション「MONJU」です。ペイフォワード・VeBuIn・中川政七商店の合弁会社が開発し、シナジーマーケティングの「Synergy!」をベースにカスタマイズされています。
ECの購買履歴・サイト閲覧データ・店舗の購買データを一元管理し、顧客ごとに「何を買っているか」を分析できるCRMツール。たとえば「手土産をよく買う顧客」「衣類中心の顧客」といったグループに自動で分類し、グループごとにメールやLINEの配信内容を出し分けられる。さらに「ブランドが目指す姿」と「顧客が実際に感じている姿」のズレ(BRAND GAP)を数値で可視化し、修正する機能も持つ。
開発のきっかけは、販促CRM施策ではLTVが改善しないという気づきでした。そこから従来のRFM分析(購買金額・頻度軸)ではなく、商品カテゴリーを軸に「行動が似ているユーザー」をクラスタリングする手法を採用したのです。
◆従来型RFM分析とMONJUの比較
| 観点 | RFM分析 | MONJU |
| 分析軸 | 購買金額・頻度・最終購買日 | 商品カテゴリー×購買行動 |
| 顧客の捉え方 | 「いくら使ったか」 | 「何を買ったか」 |
| セグメント例 | 優良/休眠/新規 | 手土産中心/衣類中心/内祝い等 |
| 施策の方向性 | 金額ランクに応じた販促 | クラスタ間遷移を促すストーリー設計 |
現在は8つのクラスタ(手土産中心、衣類中心、内祝い等)が運用されており、購買回数に応じたジャンルの遷移パターンを「ストーリー」として読み解く仕組みです。
◆MONJUのクラスタリング手法(カテゴリー×ユーザーのマトリクス)

画像:老舗ブランド「中川政七商店」のデータで支えるブランディング戦略(Web担当者Forum) をもとに筆者作成
MONJU導入後、配信施策の成果は大きく改善しました。
◆MONJU導入による主な成果
| 施策 | 効果 |
| シナリオメール | 開封率1.6倍、クリック率2倍以上、遷移率2倍以上 |
| クラスタ別配信(生成AI活用) | クリック率120〜150%向上、作成工数約50%削減 |
| FPR顧客のLTV | 一般顧客比60倍、1回あたり購入数2.5倍 |
この発想を自社に応用するのであれば、まず「何を買っているか(カテゴリー)」で3クラスタ程度から手動設計し、効果が見えてきた段階で5〜8クラスタに拡張するのが現実的です。
会員基盤の構築(戦略①)、チャネル別の配信設計(戦略②)、クラスタCRM(戦略③)は「接心好感」のもとで相互に連動しており、この一貫性が広告ゼロ成長を支える構造の本質です。
戦略④:「迷子になるのが楽しいEC」を支えるコンテンツ資産化とAIレコメンド
中川政七商店のECサイトには、一般的なECとは異なるUX設計思想があります。緒方氏は「商品のスペックを説明するよりも、この商品があるからどういうことが起きるかを伝えるのが本質」と語っており、この「コンテクストデザイン」がサイト全体の回遊設計を貫く軸となっているのです。
また、同社には読みもの系コンテンツもありますが、それらがSEOキーワードではなく文脈設計を優先して設計されている点も特徴的です。ただし検索流入を完全に捨てているわけではなく、記事やAIレコメンドを通じた「文脈経由の流入」を確保しています。
コンテンツ面では、2016年に独立メディアとして開設された「さんち〜工芸と探訪〜」を2020年にECへ統合し、「中川政七商店の読みもの」として運営中です。また、スタッフが実際に使って紹介する「わたしの好きなもの」は購買に直結するコンテンツとして好評を集めています。
◆「わたしの好きなもの」記事のスクリーンショット

同社は音声領域にも展開しており、「中川政七商店ラヂオ」はコンテンツマーケティング・グランプリ2022の音声部門を受賞。テキスト・画像・音声と複数フォーマットでブランドの世界観を届ける体制が整っています。
◆中川政七商店のコンテンツ資産
| コンテンツ | 形式 | 役割 |
| 中川政七商店の読みもの | 記事 | 工芸の背景・つくり手のストーリーで文脈をつくる |
| わたしの好きなもの | スタッフレビュー | 購買直結型。実体験ベースで信頼性が高い |
| 中川政七商店ラヂオ | 音声 | ブランドの世界観を「聴く」接点として提供 |
さらに2024年12月にはSilver Egg Technology社の「アイジェント・レコメンダー」を導入。リアルタイム在庫連動に加え、読み物記事も推薦対象とするコンテンツレコメンドまでもが可能となりました。終売商品の記事からも最新の関連商品を接続できるため、コンテンツが長期の資産として機能します。
これらの取り組みから見えてくるのは、少量多品種のEC事業者ほど、「単品シナリオ」よりも「文脈」で回遊設計した方が運用は持続しやすいということです。商品が入れ替わっても成立するテーマで記事を設計し、終売後も削除せず残す運用を徹底するだけで、コンテンツは蓄積型の集客資産に変わります。
戦略⑤:ReviCoで月間レビュー18倍増|レビューを「購買証拠」に変える設計
ecbeingグループの「ReviCo」を活用したレビュー戦略も、大きな成果を上げています。
ECサイトにレビュー投稿・表示機能を組み込めるクラウドサービス。購入者へのレビュー依頼メールの自動配信、投稿の一元管理、サイト上への表示までをワンストップで提供する。EC購入者だけでなく実店舗購入者にもレビュー依頼を送れるのが特徴。
実際に、導入前後の数値を比べてみましょう。
◆ReviCo導入前後のレビュー件数比較
| 指標 | 導入前 | 導入後 |
| 対象 | EC購入者のみ | 実店舗購入者も含む |
| 月間レビュー数 | 100〜200件 | 約3,600件(18倍) |
| 投稿率 | — | 約10% |
レビュー件数を押し上げた最大の要因は、投稿までの導線設計です。ReviCoのレビュー依頼メールはサイトにログインせず、メールから最短2クリックで投稿が完了する仕組みになっています。中川政七商店ではこの依頼文を手紙のような丁寧な文体にカスタマイズし、「接心好感」の接点として設計しました。
加えて、実店舗で購入した顧客にもレビュー依頼メールを配信するオムニチャネル対応が効いています。さらにReviCo負担のインセンティブ付きキャンペーンも常時実施。これらの「導線設計・オムニチャネル対応・インセンティブの3点の掛け合わせ」こそがレビュー18倍増という結果をもたらしたと考えられるのです。
運用方針にも同社らしさが表れています。全レビューを自動承認・全公開とし、ネガティブな声も「早く直した方がいい」という商品改善の材料として受け止める姿勢です。レビュー量の急増で全件目視が困難になった後は、生成AIを活用して週1回約30分でチェックを完了する体制を構築しました。
◆商品ページ内のReviCoレビュー表示

参照:中川政七商店 ECサイト商品ページ より
店舗購入者へのレビュー依頼とログイン不要の投稿導線は、比較的低コストで導入しやすい施策だと言えます。まずは投稿率5%→10%を目安に、依頼メールの導線改善から着手してみてはいかがでしょうか。
戦略⑥:EC送客を前提にした店舗評価制度とOMO設計
OMOを成立させる上で見落とされがちなのが、組織の評価制度です。中川政七商店では、CDOの緒方氏が組織を「つくる」「伝える」「支える」の3チームに再編。店舗・卸・ECをすべて「伝え手チーム」にまとめ、グロス売上で評価する仕組みを導入しています。
◆中川政七商店の組織構造(3チーム制)
| チーム | 主な機能 | ポイント |
| つくる | 商品企画・製造・MD | 工芸品SPAとしてのものづくり |
| 伝える | 店舗・卸・EC・コンテンツ | チャネル横断でグロス売上評価 |
| 支える | 管理・物流・情報システム | 全チームの基盤を支える |
この設計の核心は、「伝える」チームの中に店舗とECが同居している点です。つまりそれぞれの店の売上の多寡は評価に関係ないということです。そのため店舗スタッフは「ECでも同じ商品が買えますよ」と自然に案内でき、チャネル間の対立が生まれにくい構造になっています。
2019年に実装したEC上の各店舗在庫表示機能も効果を発揮しました。機能実装前は特定の店舗がテレビ番組で紹介された際、紹介された店舗だけに顧客が集中し、在庫不足に陥るケースもありました。実装後はECや最寄り各店舗に分散。緒方氏もこのことを「利便性のギアを上げるだけで顧客行動が変わる」と振り返っています。
◆商品ページ内の各店舗在庫表示

会員特典にもブランド思想が反映されています。誕生月10%OFFクーポンは「何度でも使える」仕様。毎週新作が出て在庫が限られるため、「今欲しいときに使える」体験を優先した設計になっています。
OMOの成否を決めるのは、ツールではなく「チャネル横断で評価する制度設計」です。中川政七商店のノウハウを参考にするのであれば、まずは「店舗がECを敵視しない」KPIの見直しから始めるのが現実的でしょう。
戦略⑦:さんち商店街×NKG倉庫|EC基盤を業界に開放する成長モデル
7つ目の戦略は、自社のEC基盤を業界全体に開放する取り組みです。
2023年10月にオープンした「さんち商店街」は、中小工芸メーカーのEC運営をサイト制作・集客・物流の3つで一括代行するプラットフォームです。会員71万人・月間PV500万の集客力が源泉で、信楽焼の窯元「明山窯」は出品後約1カ月で自社EC比売上5倍を記録しました。
◆さんち商店街トップページ

このプラットフォームを物流面で支えるのが、2024年6月に稼働したNKG倉庫(奈良県天理市、延べ床8,910㎡、総投資額約24億円)です。この倉庫は自社の物流拠点であると同時に、他の工芸事業者の商品も保管・出荷する「営業倉庫」として機能しており、さんち商店街の出店ハードルをさらに下げる役割を果たしています。
EC基盤の開放と並行して、ブランド価値そのものを制度化する動きも進んでいます。2025年8月にはB Corp認証を取得。さらに使用されなくなった陶磁器を回収・再販売する循環プログラム「C KOGEI」を始動し、回収時に10%OFFクーポンを付与することで「再購買の理由」と「ブランドの正当性」を同時につくる設計としました。
自社が持つ会員基盤・CRMノウハウ・物流機能を「業界インフラ」として開放するという考え方は、さんち商店街のようなモール運営に限らず応用が利きます。ただし循環プログラムのような取り組みは、回収数や再購買率といった目的KPIを先に定義しておかないと社内合意が崩れやすい点には留意が必要です。
中川政七商店のEC戦略に関するよくある質問(FAQ)
中川政七商店のEC戦略について、EC事業者から寄せられることの多い3つの疑問に回答します。
Q. 中川政七商店のEC売上やEC比率は公表されていますか?
全社売上は92.3億円(2025年2月期)ですが、チャネル別の売上比率は公表されていません。EC規模の目安としては、月間PV500万、会員数71万人という数値が公開されています。
Q. 楽天撤退後、中川政七商店の売上はどう推移しましたか?
2018年8月に楽天市場から撤退した当時、楽天はEC全体の約4割を占めていました。約10カ月で楽天分の売上を自社ECでカバーしたと公表されています。背景には、自社ECの改善を積み上げるたびにアクセスと売上が伸びていた手応えがあり、それが撤退の確信を支えたとのことです。
Q. 広告ゼロのEC戦略は自社でも再現できますか?
完全な再現は容易ではありませんが、段階的に応用することは可能です。前提条件として、リアル接点の「メディア化」と「会員化導線の整備」が欠かせません。
まずは「会員化率の改善」と「メール/LINEの役割分担」から着手するのが現実的です。接客ポリシーが全社で共有されていない状態でツールだけ導入すると、配信が体験を毀損するリスクがある点には留意が求められます。
まとめ|中川政七商店のEC戦略が示す「ブランドを正しく伝える装置」としてのEC
中川政七商店のEC戦略を貫く思想は、「ECは売上を最大化する装置ではなく、ブランドを正しく伝える装置である」という一点に集約されます。
短期の売上効率よりもブランド体験の純度を優先する。その判断を精神論で終わらせず、データとテクノロジーで裏づける。広告効率を追い続けるモデルとは、まったく異なる成長曲線がそこにあります。
自社のECが「売上を効率よく上げる場」にとどまっていると感じたなら、「ブランドを正しく伝える場になっているか」と問い直すことが、最初の一歩になるかもしれません。
ECサイトの構築・移行を検討中の方へ
ここまで記事をお読みいただきありがとうございます。
EC運営をしていると、「販売手数料が重い」「プラットフォームのコストが利益を圧迫している」と感じる場面は少なくないはずです。
そんな方に紹介したいのが、世界100万ショップ以上が使うコマースプラットフォーム Shopify(ショッピファイ) です。
◆Shopifyが選ばれる理由
✓ 販売手数料ゼロ 売上がそのまま手元に残る設計です
✓ クレジットカード手数料が業界最安レート 薄利の商材でも収益計算が立てやすい
✓ 90日間無料トライアル 本番運用前に十分な検証期間が取れます
✓ 楽天市場との連携開始 既存チャネルを活かしながら管理を一元化できます
✓ WordPressやInstagram、noteとの連携 今あるメディア資産をそのままストアに転換可能
土屋鞄製造所、BASE FOOD、Tabioなど国内の実力派ブランドも採用。175カ国以上で展開し、多言語・多通貨にも対応しているため、越境販売を視野に入れているEC事業者にとっても現実的な選択肢です。
まずは90日間、コストゼロで試してみてください。







