これからECサイトの運営を考えている方は、「クーポン券をつけて販促を行いたいけど、どうやってやるの?」と思っているのではないでしょうか?
クーポン機能は、ECサイトの基本的機能であるため、ほぼ全てのカートシステムに実装されている機能です。そのため、クーポン機能を使ってどのような施策を行うかが重要です。
施策の大きな目的は「新規獲得」や「販売促進」になりますが、タイミングや対象を考えて戦略的に発行することで、その効果を最大化することが可能になります。
本日は、forUSERS株式会社でマーケティングを担当している筆者が、クーポン機能を使ったECサイトの具体的な販促施策について解説いたします。
クーポンがきっかけで初来店したユーザーは63%
まず初めに、そもそもクーポンの販促効果はどの程度のものなのかについて、実際の調査データをご覧ください。
下記は、KDDIが運営する「au PAY magazine」による消費者アンケート調査の結果です。ECサイトではなく店舗利用の調査結果ですが、クーポンに対する消費者の価値観がわかる調査結果となっていますので、ぜひご参考ください。
調査対象は男女500人(男性297人、女性195人、無回答8人)、調査期間は2023年5月13日~5月14日の結果になります。
◆クーポンがきっかけで初来店した経験の有無
この通り、クーポンが初来店のきっかけとなった割合は63%にのぼり、クーポンが新規顧客の獲得に大きく貢献していることがわかります。
◆クーポンがきっかけでリピートした経験の有無
また、「クーポンがきっかけでお店やサービスを再度利用したことがある」と回答したユーザーは81%にのぼり、顧客のリピートを促す十分な効果があることを示しています。
先に述べた様に、この調査自体は店舗サービスが対象ではありますが、この調査結果からわかるように、クーポン施策はユーザーのアクションを促すことに非常に効果がある施策であることがわかります。
出典:クーポンが初来店のきっかけに!63%が経験あり、顧客獲得に有効なクーポン利用動向調査(au PAY magazine)
では、実際にECサイトのクーポン機能を利用した事例を紹介いたします。
クーポン機能を使った事例
大手のECサイトのクーポン機能を活用した事例を見てみましょう。
ファッションECモール大手のZOZOTOWNでは、「初回購入クーポン」「LINE限定クーポン」「メルマガクーポン」「公式アプリクーポン」など様々な種類のクーポンがありますが、対象者を限定せずに毎日発行される「日替わりクーポン」は、ZOZOTOWNのクーポン施策の中でも、最もお得感が演出されるクーポンでしょう。
◆ZOZOTOWNの日替わりクーポン
このように、商品ページでクーポン適用後の金額を提示することで、購入前に割安感がわかりやすく出るため、CVR(注文率)の向上につながります。
クーポンは毎日発行されますが、対象のショップ(ブランド)を日替わりで限定することで、常にお得なサイトという印象を与えつつも「ばら撒き」にならない、多数のショップを抱えるモールサイトだからこそできる施策となっております。
同様の「日替わりクーポン」は、同じくファッションモールサイトのSHOPLISTやMAGASEEK、またYahoo!ショッピングでも行われている施策です。
クーポン機能を使った5つの販促施策
それでは、クーポン機能を使った5つの販促施策を解説します。なるべく多くのカートシステムでも利用できる施策から、順に解説してまいります。
施策① 初回購入者限定のクーポン
施策② リピート購入を促進させるためのクーポン
施策③ キャンペーンや新商品を訴求するクーポン
施策④ ユーザーへのバースデーメールなどの記念日に利用するクーポン
施策⑤ 優良顧客や休眠顧客ためのクーポン
施策① 初回購入者限定のクーポン
ECサイト運営で、最も重要なことの一つが「初回購入」です。
なぜなら、ユーザーから見ると、ネットで買い物をするという場合はAmazonや楽天市場、ZOZOTOWN、ヨドバシカメラ、ユニクロなど、信頼できて安心して買い物ができるモールや大手ショップがありますが、そんな中で、あなたのECサイトでわざわざ購入してくれるユーザーは、他と差別化されていたり、あなたのECサイトを利用するメリットがないと購入にいたるのは難しいことです。
そのため、ECサイトにおいては初回購入者限定のクーポンをつけて、ECサイトに訪問してくれたユーザーの心を動かし、購入してくれる可能性を高める必要があるのです。
そして、初回購入してくれたユーザーが商品を受け取り、満足してくれれば「次回も機会が購入しよう」という気持ちになり、リピート購入の可能性が生まれます。ひょっとしたら友だちにECサイトを紹介してくれるかもしれません。
その最初の施策として重要なのが、初回購入なのです。そのため初回購入のクーポンは、採算ぎりぎりのクーポン割引であっても、マーケティング費用として割り切って、ECサイトを大きくするための戦略として成立するのです。
また、この施策をする場合は、下記のようにスマホでも目立つ位置に「初回購入」を訴求していないとユーザーに気づかれないため、初回購入クーポン施策を実行する場合は、クーポンがユーザーの目に留まることを意識しましょう。
下記は、ZOZOTOWNのTOPページですが、メインビジュアル下に目立つようにクーポンバナーが配置されていることがわかります。
◆初回購入者限定のクーポンの例
施策② リピート購入を促進させるためのクーポン
過去に購入してくれたユーザーに対して、メルマガやステップメールを送付してクーポンを付与することで、リピート購入を促します。ただし、この施策はほとんど全てのECサイトが実施してる施策でもあり、ユーザーから見ると新鮮味がありません。
また、Gmailのようなメールの自動仕分けを行ってくれるメーラーだと「プロモーション」というカテゴリーに振り分けられてしまい、ユーザーの目に届かないことが多くなります。そのため、以下の2つの対策が必要となります。
2.InstagramやTwitter、LINEアカウントを開設し、リピート購入者にもフォローしてもらう
メルマガだけだと効果が頭打ちになるので、ECサイトでの購入者にSNSをフォローしてもらえるように、同梱物にQRコードを入れたり、SNSフォローキャンペーンを開くなど、会員とのタッチポイントを意識しましょう。
つまり、リピート購入を目的のクーポン施策を実施するなら、クーポンがユーザーの目に届く工夫をする必要があります。下記は、レディースファッション通販サイト「MAGASEEK」のInstagramフォローキャンペンの事例です。
◆SNSフォローキャンペーンの例
施策③ キャンペーンや新商品を訴求するクーポン
ECサイトを盛り上げていくためにも、定期的にキャンペーンを実施すべきです。その際には、キャンペーンで使えるクーポンを用意して、新規ユーザーにも既存会員に対しても、購入意欲を高めてもらいましょう。
キャンペーンなどの期間限定のクーポンであれば、期限を設定することで、使用期限が迫ると下記のように自動的にメールが送信することができるメルマガのシステムもあります。
◆メルマガの例
「○○様、あと3日で1,000円分のクーポンの期限が切れます」
このような仕組みを導入しておけば、年間を通じると平均リピート購入額や平均購入回数も高まる施策の一つとなります。
施策④ ユーザーへのバースデーメールなどの記念日に利用するクーポン
誕生日特典としてクーポンを利用します。多くのリピート購入促進のためのメルマガや情報配信を行っても、見ないユーザーは全くメールを開封してくれませんが、バースデーメールに限っては気にするユーザーも一定数存在します。
例えば、筆者の妻も誕生月になると「誕生月の特典あるから、○○を利用しよう」と言うことがあり、このような方は多いのではないでしょうか?
下記はアパレルブランド「リーバイス」から筆者にメールで送られてきたバースデークーポンになります。こちらの事例は店頭で使えるクーポンになりますが、ECサイトあれば、クーポンコードを購入手続き時に入力して割引を適用する形が一般的です。
◆バースデークーポン(メール)の例
なお、バースデーメール施策を始める場合は、会員情報を取得する際に個人情報入力において「誕生月」を取得する必要がありますが、それを行うと「なぜ誕生月がECサイトに必要なのか?」とCVR(注文率)や会員情報の取得率に影響があるので、備考欄に「※誕生日特典に利用します」という文言を添えておくことを忘れないようしましょう。
施策⑤ 優良顧客や休眠顧客ためのクーポン
クーポン施策は、優良顧客に日頃の感謝を込めてクーポンをプレゼントしたり、あるいは最近購入していない休眠顧客に再度利用喚起するためにも利用できます。そのためには、顧客情報を以下のように抽出する必要があります。
◆優良顧客の抽出方法(セグメント)
・累計購入回数が○回以上
・直近○ヵ月以内の購入履歴
◆休眠顧客の抽出方法(セグメント)
・累計購入回数が○回以上
・直近○ヵ月以前の購入履歴 <==ここは上記と異なる
このように、優良顧客と休眠顧客をECサイトごとに定義する必要があります。
上記の「〇」のところに金額や回数、期間を定義してみましょう。あまりに幅を大きくすると会員の多くが優良顧客や休眠顧客になってしまうので、何も基準を持ち合わせていない方は、パレートの法則を参考にして、上位2割以上を意識してみてください。カンタンに説明すると上位2割の顧客が売上の8割を作っているというマーケティングの法則です。
参考情報:パレートの法則(野村総合研究所)
クーポンとポイントの違いは「ポイント」はお金に近いものでコストがかかる
クーポンとポイントの違いは、一般的にはポイントはお金のように貯めることができるものであるのに対して、クーポンは貯めることができません。またクーポンには期限があることがほとんどです。
これをECサイトの運営で考えると、長期的にはポイントは貯めておくことができるのでコストがかかります。ただし、ECサイトによってはポイントにも期限があるケースが多く、一概に言えない面がありますが、クーポンであれば必要な時のマーケティング施策に使いやすい面があると言えます。
まとめ
ECサイトにこれから参入するという場合は、クーポンやポイントは、下記のように明確に目的をもって利用しましょう。
✓リピート購入の促進
✓優良顧客へのリピート購入促進
ECサイトの利用が増えるからと言って、むやみにクーポンばかり発行していると、長期的に利益を減らすことになりますし、「待っていればクーポンが発行されるから、今は買わないでおこう」といった買い控えが起こる可能性もあります。
クーポン施策は戦略的に考えて、ここぞというタイミングに対象を絞って行うことで、効果を最大化することができるのです。
クーポン機能を使った自社ECサイトを構築するなら「futureshop(フューチャーショップ)」が良い理由
もし、新規事業で「自社ECサイト」を構築するならfutureshop(フィーチャーショップ)にすべきでしょう。なぜなら、注文を増やすための多くの仕組みが基本機能として、多数実装されているからです。
◆futureshop(フィーチャーショップ)で注文を増やす機能の例
・様々なクーポンやポイント機能がある!
・カートインから決済までたった3ステップ!
・会員ログイン状態保持機能が延長可能!
・自由度の高い画面レイアウト!
・注文履歴から、思わず再注文したくなる画面デザイン
カートシステムの導入を考えているなら、間違いなく筆者はfuturshopをおススメします。私だけでなく、EC関係者からも最も評判の良いカートシステムであり、売上を増やすための細かい機能が数多く実装されており、EC業界で花形のアパレル業界で、多く利用されているECプラットフォームでもあります。ファッションから雑貨はもちろん、小売業のネットショップ全般にfutureshopは最適です。
futurshop(フィーチャーショップ)は、以下の公式ホームページから資料をダウンロードことができるので、ECサイトの構築を検討する方は、まずは資料を取り寄せてみましょう。