楽天市場では、管理画面のRMSで在庫数の登録が可能です。しかし、きちんと在庫管理を行うにはどうすればいいのか、そもそも在庫管理を行う利点は何なのか、よく分からないという方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、運用上における在庫管理の重要性と注意点について、以下の5点を解説します。
- 楽天市場における在庫管理の2つの方法
- 在庫管理を行う5つのメリット
- 在庫管理を行う3つのデメリット
- 在庫管理を行う際の5つのポイント
- 在庫管理を行ううえでの3つの課題点
複数モールに渡って運営する事業者の方は、在庫管理システムを導入すると効率的な在庫管理ができます。おすすめの在庫管理システムも紹介しているので、ぜひご確認ください。
楽天市場における在庫管理の2つの方法
楽天市場において在庫管理を行う方法は、主に以下の2点です。
【在庫管理方法】
管理画面であるRMSを使い、自社で在庫の管理を行う方法と、楽天スーパーロジスティクスに商品を入庫し、楽天側で行ってもらう方法です。双方にメリット・デメリットがあるため、自社に合った方法を選択してください。
方法1:RMS(Rakuten Merchant Server)を利用
RMSを使用する方法は、自社で受注から発送までを行う際のオーソドックスな在庫管理方法です。RMSは楽天のサイト構築から受発注管理まで一元的に行う管理画面のことで、商品の登録なども行います。
この商品登録時に在庫数の登録を行い、ユーザーの注文画面に連携されます。在庫が0になれば購入できなくなってしまい、機会損失に繋がるため、適切な在庫管理を行うことが重要です。
自社で自由に在庫のコントロールが可能な反面、商品の保管場所や期限の管理、棚卸作業などそれに付随するさまざまな作業が発生する難点もあります。
方法2:楽天スーパーロジスティクスを利用
楽天スーパーロジスティクスは、楽天が管理・運営する物流倉庫に商品を入庫し、楽天側で発送や在庫管理を行ってもらう手法のことです。保管場所や在庫数の管理等の手間から解放される反面、手数料がかかる点は留意しておく必要があります。
センター内の在庫数と商品ページの在庫数が連携されるうえ、365日出荷に対応しているためRakuten最強翌日配送の対象にできます。Rakuten最強翌日配送とは、出品商品が翌日に到着できるよう設定・運用することでモール内検索などで優遇される仕組みのことです。
納品日だけでなく納期遵守率などいくつかの条件があり、Rakuten最強翌日配送の商品を増やすと、楽天市場内における売上拡大につながります。楽天スーパーロジスティクスの利用は、こうした条件をクリアしやすくなる方法のひとつです。
販売機会の向上やショップの価値の向上につながるため、売上拡大を目指す場合はうまく活用しましょう。
楽天市場でできる主な在庫管理機能
楽天市場のRMSでできる主な在庫管理機能は、以下の通りです。
【在庫管理機能】
- 在庫数の設定
- SKU毎の在庫数管理
- 在庫数に応じた最短お届け日の設定
- データ分析
SKU単位で在庫数を設定し、在庫の有無によってお届け日の設定ができるなど、細かな対応ができるのが利点です。RMSでは受注管理やサイト構築など、在庫管理以外の機能も多彩なので、スムーズなショップ運営ができます。
また、別途受注管理システムを導入すれば、API連携などでRMS上の在庫数をシステム管理することも可能です。多モール展開している事業者の方は、システム導入も合わせて検討するのがよいでしょう。
楽天市場で在庫管理を行う5つのメリット
楽天市場で在庫管理を行うメリットは、以下の5点です。
【在庫管理のメリット】
それぞれについて解説していきます。
メリット1:機会損失削減
適切に在庫管理を行うことは、機会損失の削減につながります。たとえば、まだ社内に在庫があるにも関わらず在庫数が誤って0になっていた場合、せっかくの販売機会を逃すことになります。
必然的に、売上を獲得できなくなってしまうため、在庫数は正しい数を入力しておきましょう。また、定期的な棚卸によって、販売在庫数と実在庫数が一致しているかをチェックする体勢も不可欠です。販売数よりも実在庫数が少ない場合は、欠品になって最強配送の対象から外れ、ペナルティを受ける可能性もあるため注意が必要です。
メリット2:業務効率化
日ごろからの在庫管理は、業務効率化の観点からも有効です。在庫の保管場所を整理しておくことで、販売後もスムーズな出荷につながるだけでなく誤発送の防止にもなります。
また業務内容を平準化しておくことで属人化を避けられ、人的リソースのリスクヘッジにもつながるためおすすめです。さらに業務を効率化したい場合は、在庫管理用のツールの導入などを検討してもよいでしょう。
発注点数の計算や入出庫記録の自動化により、普段の業務時間を短縮することにもつなげられます。在庫数が増えて入出庫の機会が増えてきた場合に検討してみてください。
メリット3:顧客満足度向上
適切な在庫管理は、ユーザーからの信頼性を担保し、顧客満足度を向上させるうえでも有効です。販売在庫数と実在庫数が異なる場合、せっかく購入できたと思ったら在庫が無くて発送自体できないという事態が起こります。
ユーザーからの不信につながるだけでなく、顧客への連絡などの時間も発生することになるでしょう。一度失った信頼を取り戻すのは容易ではなく、他ショップに流れたユーザーを戻すのは困難です。
ショップの信頼度を守るうえでも、在庫管理はきちんと行ってください。
メリット4:家賃などの削減
適切な在庫数を保つことで、置き場所も適切に保ち、保管効率を向上させることが可能です。無駄なスペースを削減し、必要な場所を必要なだけ用意することにつながるため、家賃の削減につながります。
特に家電などの大型商品の在庫は、1点増えるだけでも大幅にスペースを使用するため倉庫の家賃がかさみます。売れる商品は多く在庫を抱え、売れ行きの悪い商品は在庫を減らす施策を打ったり、最初から持たないようにしたりと対策が必要です。
固定費である家賃を削減したいと考えている方は、現在の在庫状況を見直し適切な在庫数が保たれているかをチェックしてみましょう。また、保管場所が不足している場合は、楽天スーパーロジスティクスを利用して楽天の倉庫に預けることも検討してください。
メリット5:データ活用・分析
在庫管理を適切に行い、その推移を記録することは次の売上を作る施策に活かすことが可能です。たとえば、売れ行きの良い商品はセールなどのタイミングで在庫数を増やし、広告などで一気にユーザーを流入させるなどです。
流入ページから他の利益率の良い商品にユーザーを流すなど次の施策にも活かせます。そのためには、どの商品がどの程度売れているかを把握し、適切な在庫を用意しておくことが重要です。
こうしたデータの分析と活用を行ううえでも、在庫管理は重要な要素のひとつとなっています。
楽天市場で在庫管理を行う3つのデメリット
楽天市場で在庫管理を行うデメリットは、主に以下の3つです。
【在庫管理のデメリット】
管理するため、人員などを含めたコストが増加するでしょう。また、在庫管理は流動的な在庫数の推移を把握する必要があるため、一朝一夕でできることではありません。目的意識を持って、管理していくことが重要です。
以下では、それぞれのデメリットについて、順に解説します。
デメリット1:管理コスト増加
在庫管理を行うと、管理する人員の人件費などのコストが増加します。別途ツールなどを導入すればその分費用もかかるため、実際にどの程度のコストやリソースが必要になるかは試算しましょう。
一方で、管理コストが増えたとしても、機会損失の削減や企業価値の向上につながると考えれば在庫管理を行うメリットはあります。できるだけ管理コストが増えないような運用を設計するのがポイントです。
デメリット2:初期設定と管理の難しさ
在庫数の設定など、販売在庫と実在庫を一致させ続けるのは手間がかかります。また、管理ツールを導入する場合は設定も煩雑になるので管理する人員にもスキルが必要です。
在庫管理は誰が行っても一定のクオリティで行わなければなりません。誰かが内容を把握していない場合、在庫数がズレて整合性が取れなくなったり、データの信憑性が低くなります。そのため、管理のフローや概要はマニュアルとしてまとめておき、きっちりと情報共有するのがおすすめです。
デメリット3:業者依存
楽天スーパーロジスティクスなど、外部倉庫に在庫を出している場合は、管理が業者に依存することになります。実際に現物を確認して在庫管理を行うことができなくなり、管理のノウハウも蓄積しません。
外部業者にアウトソーシングを委託する場合は、どのような環境で在庫管理が行われているのかを事前に確認しておくことが重要です。在庫は会社の資産なので、適切に管理を行える環境を用意しましょう。
楽天市場で在庫管理を行ううえでの5つのポイント
楽天市場で在庫管理を行ううえでのポイントは、以下の5つです。
【在庫管理のポイント】
これまできちんと在庫管理を行っていなかった方は、上記を意識するのがよいでしょう。適切な管理を行い、売上拡大と顧客満足度の向上につなげてください。
ここからそれぞれのポイントについて詳しく解説します。
ポイント1:入荷から出荷までの手順確定
まずは、商品が入荷してから出荷するまでの、一連の物の流れを確定させましょう。フローが固まれば在庫の流れを追いやすくなるため、在庫管理を行いやすくなります。
注文が入ってから、発送現場で出荷されるまでの物の流れを追うのはRMSではできません。そのため、日々大量の入荷や出荷がある場合は別途在庫管理システムを導入するのがおすすめです。
入荷商品の引き当てや出荷予定、使用期限の管理などを行えるので、事業規模が大きい事業者の方はぜひ導入を検討しましょう。
ポイント2:管理指標の確定
需要予測や商品補充の発注点、安全在庫など、管理指標を確定させてください。在庫切れを起こさないための対策や、逆に過剰に在庫を抱え過ぎないための対策となります。
売上に対する在庫比率など、各事業者ごとに何を指標とするかはさまざまです。ポイントは販売機会を逃さず、かつ過剰な在庫を減らして適切に保ち続けることです。どのタイミングで何の数値をチェックするのかなど、細かく詰めていく必要があります。
ポイント3:保管場所の確定
在庫の保管場所についてはルールを決めましょう。在庫管理システムを導入している場合、ロケーション管理になるのが一般的です。ロケーション管理とは、倉庫内で物の置き場所に数値や記号などを割り当て、記載情報をもとに管理することです。
また、ロケーションについてもフリーロケーションなのか固定ロケーションなのかによっても置き場所や入出荷のフローが変わってきます。
保管場所を一定にすることで、業務の効率化にもつながるので、保管場所はきっちりと定めて周知するようにしましょう。
ポイント4:棚卸方法の確定
商品の在庫数が正しいか、定期的な棚卸を行うことをおすすめします。棚卸の回数はさまざまで、毎月行うケースもあれば年に1回というケースもあります。重要なのは、実際の商品数が記録されている数と一致しているかを確認し、在庫数の差異を防ぐことです。
また、不良在庫を発見することで、在庫状況の見直しにもつなげられます。棚卸は在庫管理を行う上では重要な要素のひとつなので、一度入荷した商品はそのまま放置せず随時確認しましょう。
ポイント5:返品処理方法の確定
楽天市場に限らず、ECの運営では返品はどうしても避けられないものです。そこで、返品処理の方法を確定し、戻って来た商品を適切に処理するフローを確定させましょう。
返品商品をそのまま放置しておくと、実際の在庫数と合わなかったり、正しい商品とB品が混在してしまったりとさまざまなトラブルの要因となります。返品商品を再販売に回すのか、損失として計上し廃棄するのかなど、最終的にどう処理するのかをルール決めしてください。
楽天市場での在庫管理3つの課題
楽天市場で在庫管理を行う課題は以下の3点です。
【在庫管理の課題】
適正在庫は流動的で、人の手で行う以上どうしてもミスを絶対的に無くすことは困難です。そのため、適宜対策を行い、属人化を防ぎつつ管理していくことが必要となります。
以下でそれぞれの課題について詳しく解説していきます。
課題1:ヒューマンエラーを防ぐ
在庫管理を行う際の課題として、どうしても避けるのが難しいのはヒューマンエラーです。実在庫の数え間違いや、数値の入力ミスなどが挙げられます。
細かなチェック体制を整えたとしても、ミスを完全にゼロにすることは難しいでしょう。ヒューマンエラーを防ぐには、可能な限りシステム化して人の手が入る余地を減らすことです。バーコードを読み取れるハンディターミナルによる検品と在庫管理システムの導入により、在庫の流れを機械的に管理してください。
それでもヒューマンエラーは発生するため、どのようにリカバリーするかのフロー構築なども重要です。
課題2:適正な在庫数の維持
在庫管理の課題のひとつとして、適正な在庫数を維持することが挙げられます。在庫は多すぎれば負債となり、場合によっては使用期限が切れるまで動かず廃棄することにもなりかねません。
また、少なすぎれば欠品が発生し、機会損失やクレームにつながるおそれもあります。適正な在庫管理は楽天市場に限らず、EC販売において非常に重要な要素です。日々の在庫の動きを把握し、在庫回転率の管理もポイントとなります。
常に適切な量の在庫を維持できるように管理を行いましょう。
課題3:複数の管理画面の遷移が煩雑【複数モールの場合】
楽天市場以外のECサイト運営も行っている場合、管理画面を行ったり来たりする画面遷移の手間が発生します。複数の管理画面を開かなければならず、操作が煩雑になりミスにつながったり在庫数にズレが生じたりといったリスクもあります。
そこで、在庫管理システムを導入して在庫を一元管理するのがおすすめです。各モールをAPI連携することで、システム内で変更した在庫数を各モール上に連携することができます。
どのモールに連携できるのかなど機能面はシステムによってさまざまですが、運営するサイト数が増えて運用が難しいと感じている方は、ぜひシステムの導入を検討してみてください。
在庫管理システム導入のメリット・デメリット
在庫管理システム導入のメリットとデメリットについて解説します。
【在庫管理システムのメリット・デメリット】
一括で管理できる反面、運用の習得やコストがかかるといったデメリットが発生します。費用と業務効率化の双方の観点から検証し、導入するかを総合的に判断してください。
メリット:複数店舗の一元管理
在庫管理システム導入のメリットは、複数店舗を一つのシステム内で管理できることです。それによってヒューマンエラーを防ぎ、実在庫数と販売在庫数がズレる事態を防ぎやすくなります。
また、単純に管理画面が一つに統一できるため、業務効率の向上にもつながります。各システムごとにできることや対応しているモールなどが異なるため、自社のシステム要件をまとめ、ベンダーのヒアリングのもと適切なものを導入することが重要です。
デメリット:導入・運用コストが必要
当然ですが、在庫管理システムの導入には費用がかかります。操作を覚えたり、運用するスタッフの人件費などもかかってきます。しかし、その分業務の効率化につながるため、トータルで見たときのコストはむしろ抑えられる可能性があります。
たとえば、それまで3人でそれぞれ各モールの管理画面を運用していたところを、システム導入によって一人で管理することができるようになります。残りの2人は別の業務に充てられるため、新たに売り上げを創出する機会を作れるようになるかもしれません。
このように、システム導入によって効率化されて空いた時間に、何をするかを思い描きながら進めていくのがポイントです。
楽天市場を含む在庫一元管理におすすめのシステム3選
楽天市場を含む在庫一元管理におすすめのシステムを3つ紹介します。
【おすすめの在庫管理システム】
いずれもEC業界では知名度の高いおすすめのシステムばかりです。自社に合ったシステムはそれぞれの販売状況や売り方によって異なるため、複数社に解決したい課題を伝え、ヒアリングしてもらうのがおすすめです。
おすすめ1:ネクストエンジン
ネクストエンジンは受注管理から在庫管理まで一気通貫で行えるシステムで、ECサイトの受注管理システムとしては知名度の高い大手です。楽天市場に限らずECサイト上と5分間隔で連携しており、販売在庫とほぼタイムラグ無しで一致させることができます。
50以上の主要モールや、別の倉庫管理システムとの連携も可能なので、多くのECサイトを運営している事業者の方はまずネクストエンジンに相談してみるとよいでしょう。
おすすめ2:アシスト店長
アシスト店長も受発注管理やメール送信、在庫管理などを一元的に行えるソフトです。また、既存顧客に対してアプローチできるCRM機能も搭載されているため、リピーター対策としても有効です。
在庫管理においては、アシスト店長内の独自IDで各モールの在庫と紐づけを行うため、店舗ごとに異なる商品IDが設定されていても簡単に管理することができます。
おすすめ3:ロジレス
ロジレスは受注管理システムと倉庫管理システムが一体型になっており、楽天市場やAmazonなど複数モールで在庫連携を行い管理できます。
主要な機能は他のシステムと大きな差はありませんが、大きな違いとして自社でマクロを設定してさまざまな販売手法に対応できます。たとえば、特定注文に対しておまけを付けたりするルール付けを自社で設定可能です。
本来なら開発依頼が必要なところ、ある程度の設定を自社でできるのは大きな利点です。特殊な売り方をしたい場合や、ショップごとに違った販売手法を取っている場合などにおすすめとなっています。
楽天市場は適切な在庫管理で機会損失を防ぐことが重要
楽天市場でECサイトを運営するにあたって、在庫管理は機会損失を防ぐための重要な業務です。在庫を闇雲に増やすのではなく、保管場所や廃棄の数を減らすためにも適切な在庫数を抱えることを意識しましょう。
また、複数モールを運営している場合は、在庫管理システムの導入も検討してください。一つの管理画面で在庫管理ができるため、業務効率を向上させられます。導入にはコストがかかりますが、従来の人件費を削減できる可能性があります。
自社に合ったシステムを選ぶことが重要なので、まずは複数のベンダーとヒアリングのうえ見積もりを取り、比較して選ぶのがおすすめです。
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