サンリオのEC戦略8選|Sanrio+で実現する顧客ID統合とファンマーケティング
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サンリオは2025年3月期に売上高1,449億円(前期比44.9%増)、営業利益518億円(同92.2%増)を達成しました。2024年には時価総額1兆円を突破し、2015年3月期から2021年3月期まで7期連続で営業減益に苦しんでいた同社のV字回復が鮮明です。そんなサンリオの急成長の背景には、顧客ID統合プラットフォーム「Sanrio+」を軸としたファンマーケティング戦略があります

本記事では、サンリオがEC・店舗・テーマパークを横断する顧客データ基盤をどのように構築し、252万人の会員基盤とファンとの「絆」を育てているのかを分析します。EC担当者やマーケターが自社戦略に応用できるヒントをぜひご活用ください。

サンリオの業績とEC戦略の現在地

サンリオは、ハローキティをはじめとする450以上のキャラクターを展開するキャラクタービジネス企業です。まずは同社の基礎データとを押さえておきましょう。

◆サンリオの基礎データ(2024〜2025年)

項目 数値 時点
売上高 1,449億円(前期比44.9%増) 2025年3月期
営業利益 518億円(同92.2%増) 2025年3月期
時価総額 1兆円突破 2024年10月
Sanrio+会員数 約252万人 2025年3月末
メルマガ購読者 60万人超 2022年10月時点
直営店舗数 約150店舗 国内

 

参照:
株主・投資家の皆様へ | 株式会社サンリオ

データ活用で大切なのは「ユーザーが嫌がることはしない」。サンリオが実現した、ファン目線の施策とは (1/3):MarkeZine(マーケジン)
顧客情報一元化で全ての顧客接点を跨いだ「サンリオ体験」の実現事例 | プリズマティクス

注目すべきは、2020年7月のサービス開始からわずか5年で252万人を突破したというSanrio+会員数の急成長ぶりです。この会員基盤こそが、後述するサンリオのEC戦略における土台となっています。また、2025年3月期の営業利益率は35.8%と高水準です。ライセンスビジネスによる収益性の高さに加え、顧客データを活用した効率的なマーケティングが利益率向上に貢献していると考えられます。

7期連続営業減益からV字回復へ

サンリオは2015年3月期から2021年3月期にかけて、7期連続で営業減益を記録していました。欧州・米州での「プロダクトライセンス中心」「ハローキティ中心」の事業モデルが限界を迎え、国内でも店舗偏重の販売体制がデジタル時代に対応できていなかったのです。

しかし2022年3月期以降、業績は急回復を見せています。以下のグラフを見ると、2022年を境に売上・利益ともに急激な成長が始まっていることがわかります

◆サンリオの業績推移(売上高・営業利益)

サンリオの業績推移(売上高・営業利益)

参照:サンリオ第65期(2025年3月期)決算説明資料 より

また、2024年には時価総額1兆円を突破しました。この劇的な復活の背景には、顧客データを軸としたマーケティング改革があります。

EC比率3割を目指すデジタルシフト

サンリオは2022年3月、EC比率を3割以上に引き上げる目標を掲げました。これに伴い、システム投資として年間3億円を計上し、デジタル基盤の整備を本格化させています。

さらに、2024年5月に発表された中期経営計画では、3年累計で300億円のオーガニック投資を予定。そのうちWeb3.0領域に100億円規模を充てる方針を示しました。これらの動きからは、サンリオの単なるEC強化ではなく、顧客接点全体のデジタル化を推進する姿勢が見て取れます。

顧客ID統合基盤「Sanrio+」とは

サンリオのEC戦略の中核を担うのが、2020年7月にローンチした顧客ID統合プラットフォーム「Sanrio+」です。この仕組みは無印良品の「MUJI passport」を参考に設計され、店舗・EC・テーマパークを横断する共通ID・共通ポイント「スマイル」を実現しました。

◆Sanrio+アプリのイメージ

Sanrio+アプリのイメージ

参照:Sanrio+とは?|サンリオ より

会員数はローンチ直後の約60万人から、2022年10月に130万人超、2025年3月末には約252万人へと成長しました。

◆Sanrio+会員数の推移

時点 会員数 備考
2020年7月 サービスローンチ
2020年10月 約60万人 ローンチから3ヶ月
2022年10月 130万人超 約2倍に成長
2025年3月 約252万人 約4倍に成長

参照:
顧客情報一元化で全ての顧客接点を跨いだ「サンリオ体験」の実現事例 | プリズマティクス
データ活用で大切なのは「ユーザーが嫌がることはしない」。サンリオが実現した、ファン目線の施策とは (1/3):MarkeZine(マーケジン)
株主・投資家の皆様へ | 株式会社サンリオ

わずか5年で約4倍に拡大したSanrio+の会員数。そのボリュームゾーンは15〜29歳の女性が占めています。スマホアプリという身近な形で若年層ファンの囲い込みに成功し、サンリオ復活にも大きく貢献したといえるでしょう。

サンリオがファンビジネスをEC売上につなげる8つの戦略

ここからは、サンリオが実践してきたEC戦略を8つ紹介します。同社の強みは、単発のキャンペーンやキャラクター人気だけに頼らない点にあります。店舗・EC・テーマパークでバラバラだった顧客データを統合し、ファンとの接点を「点」から「線」へと変えたことで、継続的な売上成長を実現してきたのです

◆サンリオがファンビジネスをEC売上につなげる8つの戦略

各戦略について「なぜこの施策が効いたのか」まで解説しますので、ぜひ「自社で取り入れられる考え方はないか」という視点でお読みください。

戦略① 顧客ID統合とポイント一元化「Sanrio+」

サンリオのEC戦略の土台となっているのが、2020年7月にローンチした顧客ID統合プラットフォーム「Sanrio+」です。

従来、サンリオでは店舗・EC・テーマパークがそれぞれ別の会員システムを運用していました。そのため「昨日ピューロランドに来た顧客が、今日ECで買い物をしている」という事実を把握できず、顧客一人ひとりの全体像が見えない状態が続いていたのです。

◆Sanrio+導入前後の顧客管理体制の比較

項目 導入前 導入後
会員ID チャネルごとに別々 全チャネル共通ID
ポイント 店舗・EC・パークで別管理 「スマイル」に統合
顧客データ 部署ごとに分断 CDPに一元集約
分析基盤 個別対応 統合データ分析基盤

参照:https://prismatix.jp/casestudies/sanrio/

Sanrio+の設計で参考にしたのは、無印良品の「MUJI passport」でした。同アプリの立ち上げを技術面で支援したプリズマティクスと連携し、既存システムを活かしながらID統合を実現する方針で開発が進められました。ポイント名を「スマイル」としたのは、同社のスローガン「みんななかよく」を体現するためです。あえて「ポイント」と呼ばないことで、サンリオらしい世界観を表現しています。

戦略② 推しキャラ会員証によるゼロパーティデータの自然収集

Sanrio+の会員証には、ユーザーが選んだ「推しキャラ」がデザインされています。全21キャラクターから好きなキャラクターを選択でき、年に6〜7回シーズンに合わせて絵柄が変わる仕組みです。

◆Sanrio+会員証のイメージ

Sanrio+会員証のイメージ

参照:https://markezine.jp/article/detail/42086

この機能の狙いは、アンケートを使わずに顧客の嗜好データを自然に収集することにあります。「アンケートを送ってもらう」というのは、企業目線では有用な施策ですが、ユーザーにとってはひと手間かかる、面倒なことと認識されがちです。そのためサンリオでは「ファンが嫌がることはしない」という方針のもと、ファンが喜ぶ体験の中で自然にデータを取得する設計を用意したのです

実際、会員向けアンケートで「Sanrio+で一番好きな機能」を聞いたところ、「好きなキャラクターを会員証に設定できる」が第1位となりました。「クーポンがもらえる」「景品と交換できる」といった金銭的メリット以上に、ファンは「推しキャラの会員証」そのものを嬉しいと感じていたのです。

さらに、会員証に選んだキャラクターと実際に購買するキャラクターの相関関係も分析可能になりました。この会員証まわりの設計は、ファン体験の向上とデータ収集を両立させた好例であるといえます。

戦略③ ファン接点を「日常化」する文脈型配信

サンリオは、MA(マーケティングオートメーション)ツール「Braze」を活用し、顧客一人ひとりに最適化されたコミュニケーションを実現しています

◆サンリオが活用するマーケティングツール

ツール 役割 主な機能
Treasure Data CDP データ統合基盤 顧客データの収集・統合
セグメント作成
Braze MA・配信基盤 プッシュ通知
メール
アプリ内メッセージの自動配信
prismatix 会員・ポイント基盤 共通ID管理
ポイント付与/利用
API連携

サンリオの取り組みで特徴的なのは、購買を直接促すプッシュ通知を極力避けている点です。「買ってほしい」「登録してほしい」という企業都合のメッセージは、ファンが離れる原因になりかねません。

代わりに同社が重視しているのは、キャラクターの誕生日や季節イベントなど「ファンが喜ぶ文脈」に沿った配信です。アプリ内ではマルチニュースチャンネルを提供し、公式X(旧Twitter)やオンラインショップの情報をまとめて閲覧できるようにしています。

お知らせ詳細ページの日別ユニークユーザー数を集計し、どのコンテンツへの関心が高いかを可視化。データをもとに内容を最適化するサイクルを回しています

戦略④ マルチキャラクター戦略でファン層を拡大

サンリオは創業以来、450を超えるキャラクターを生み出してきました。ハローキティだけに依存せず、多様なキャラクターを育成することでファン層の幅を広げる戦略を取っています

この戦略の成果は、2025年の「サンリオキャラクター大賞」にも表れています。総得票数は史上最多の6,316万票を記録し、特定キャラクターへの偏りではなく複数のキャラクターが幅広い支持を集める構造になりました。

◆バラエティ豊かなサンリオの主要キャラクターたち

バラエティ豊かなサンリオの主要キャラクターたち

参照:https://www.sanrio.co.jp/characters/

この膨大なキャラクターたちの人気を支えているのが、キャラクターごとのSNS運用です。サンリオは公式アカウントだけでなく、個別キャラクターのアカウントを含めて40以上のSNSアカウントを運営。それぞれの世界観に合わせた発信を行っています。

ECにおいても、Sanrio+の会員証データを活用して「推しキャラ」に関連する新商品情報を優先的に届けるといった施策が可能になりました。マルチキャラクター戦略とデータ活用の組み合わせが、売上拡大を後押ししています

戦略⑤ 限定・再販・受注で需要の波を売上に変える

サンリオのEC運用で特徴的なのは、ファンの「欲しい」が高まるタイミングを逃さない販売設計です。キャラクターの誕生日や周年イベント、コラボ企画など、需要が集中するタイミングに合わせた商品展開を行っています。

サンリオECにおける需要対応の工夫
  • 限定販売:イベントや周年に合わせた数量限定・期間限定商品
  • 先行販売:Sanrio+会員向けに店舗発売より先にEC購入できる特典
  • 受注生産:人気商品の欠品を防ぎつつ在庫リスクを抑える仕組み
  • 再販対応:SNSでの反響を見て追加生産・再販を決定

キャラクタービジネスでは「欲しいときに買えない」がファン離れの原因になりかねません。サンリオはSanrio+の会員データやSNSの反応を活用し、需要予測の精度を高めています

また、ピューロランドでのイベント終了後にEC限定で関連グッズを販売するなど、テーマパークとECを連動させた販売機会の最大化も図っています。これはリアルの熱量をオンラインの売上につなげる設計だといえるでしょう。

戦略⑥ EC×店舗のOMO連携で相互送客

サンリオは、ECと店舗を対立させるのではなく、相互に送客し合うOMO(Online Merges with Offline)の仕組みを構築しています。

その象徴が、Sanrio+の「スマイル」ポイントです。店舗で貯めたポイントをECで使う、ECで貯めたポイントをピューロランドで使うといった、チャネルを横断した利用が可能になりました。

◆スマイルポイントの貯め方・使い方

貯め方 使い方
店舗での購入 クーポンに交換
ECでの購入 オリジナル景品に交換
ピューロランド入場 イベント参加権に交換
アプリログイン 抽選応募

参照:https://www.sanrio.co.jp/app/sanrioplus/

店頭では、アプリのダウンロードが難しい顧客向けに紙製の「Sanrio+仮カード」も用意しています。ポイント有効期限は3ヶ月で、その間にアプリ登録を促す設計です。このカバーによって、ITに詳しくない顧客層も取りこぼさない工夫が施されているのです。

会計時に会員証を提示する際、店頭スタッフとキャラクターの話題で会話が弾むケースも報告されています。デジタルとリアルの融合が、顧客体験の向上につながっている好例です。

戦略⑦ テーマパーク連携でLTV最大化

サンリオピューロランドやハーモニーランドとの連携は、ファンのLTV(顧客生涯価値)を最大化するうえで重要な役割を果たしています。

テーマパークは「体験」を通じてキャラクターへの愛着を深める場です。ライブショーでキャラクターと触れ合い、感動を覚えたファンが、帰宅後にECでグッズを購入するという流れが生まれています。

◆サンリオピューロランドのイメージ

サンリオピューロランドのイメージ

参照:サンリオピューロランド 公式サイトより

Sanrio+導入以前は、ピューロランドの来場履歴とECの購買履歴が紐づいていませんでした。しかし現在は統合データ基盤により、「パークに年3回以上来場する顧客のEC購入頻度」といった分析が可能になっています。

サンリオが目指すのは、店舗・EC・テーマパークを横断した「コミュニティ」の形成です。ECは単なる販売チャネルではなく、ファンとの関係を深める接点として位置づけられています。

戦略⑧ 海外EC展開とグローバル成長基盤

サンリオは国内市場だけでなく、海外EC展開にも積極的に取り組んでいます。2024年5月発表の中期経営計画では、3年累計で300億円のオーガニック投資を予定しており、そのうち100億円規模をWeb3.0領域に充てる方針を示しました。

◆サンリオの中期経営計画(2024年5月発表)投資配分

投資領域 金額
オーガニック投資合計 300億円(3年累計)
うちSanrio+拡張 15億円
うちWeb3.0領域 100億円規模

参照:株主・投資家の皆様へ | 株式会社サンリオ

海外展開においては、従来の「プロダクトライセンス中心」「ハローキティ中心」のモデルから脱却を図っています。各地域の嗜好に合わせたキャラクター展開と、デジタルを活用した直接的な顧客接点の構築が課題とされているのです。

国内で培ったSanrio+の仕組みを海外にも展開できれば、グローバルでのファンデータ統合が実現します。EC比率3割という目標の達成に向けて、海外市場の開拓は重要な成長ドライバーとなるでしょう。

サンリオのEC戦略が直面する3つの課題と今後の論点

ここまでサンリオの8つの戦略を紹介してきましたが、同社のEC戦略にも課題は存在します。EC比率3割という目標の達成に向けて、今後取り組むべきポイントを3つ整理します。

◆サンリオのEC戦略における3つの課題

それぞれ解説します。

課題① EC比率の向上余地

サンリオは2022年3月にEC比率3割以上を目標として掲げましたが、現時点でその達成状況は公表されていません。店舗・テーマパークの好調さに比べ、ECが売上成長のドライバーとして十分に機能しているかは不透明な部分が残ります。

◆サンリオの販売チャネル構成

チャネル 特徴
直営店舗 約150店舗、インバウンド需要で好調
テーマパーク ピューロランド・ハーモニーランド、来園者数増加
EC サンリオオンラインショップ本店ほか
卸売 百貨店・量販店への商品供給

同社の2025年3月期決算では、店舗・テーマパークがインバウンド需要とZ世代の来店増加で大きく伸長しました。一方で、ECの売上比率や成長率に関する具体的な言及は限定的です。

サンリオのEC比率向上を成功させるには、店舗やテーマパークで獲得した顧客をいかにオンラインへ誘導するかがポイントとなります。Sanrio+のデータ基盤を活かした施策とその成果には、引き続き注目していくべきでしょう。

課題② ライセンスビジネスとの顧客データ分断

サンリオの売上の大部分を占めるのは、キャラクターIPを他社に許諾するライセンスビジネスです。しかし、ライセンス商品の購入者データはサンリオ側で把握できないという構造的な課題があるのも事実です。

◆サンリオの2つのファン層

ファン層 購買チャネル データ取得
コアファン サンリオショップ・EC・ピューロランド Sanrio+で可能
ライトファン コンビニ・量販店・ライセンス商品 困難

サンリオショップやピューロランドにわざわざ足を運ぶ「コアファン」は、Sanrio+を通じて行動データを把握できます。一方、コンビニや量販店でライセンス商品を購入する「ライトファン」は、サンリオとの直接的な接点を持ちにくく、企業側からその動きを追跡するのも困難です

この課題に対し、サンリオはSNSを活用したライトファンとの接点づくりに注力しています。ただし、購買データの取得という点では依然として限界があると考えられます。ライトファンのEC誘導は、今後のサンリオにとっても課題となるでしょう。

課題③ 海外ECの本格展開

サンリオは海外売上比率が約3割を占めますが、その大半はライセンス収入です。自社ECを通じた海外直販は、まだ本格的な成長フェーズには至っていません。

同社の中期経営計画では、Web3.0領域に100億円規模の投資を予定しています。しかし、海外ファンが直接商品を購入できるEC基盤の整備や、Sanrio+のグローバル展開については具体的なロードマップが示されていない状況です

2025年のサンリオキャラクター大賞では、海外からの投票も大きく伸びました。グローバルでのファン基盤は確実に拡大しており、この熱量をEC売上に転換できるかが今後の成長を左右するでしょう。

サンリオのEC戦略 今後の展望

ここまでサンリオのEC戦略における8つの施策と3つの課題を見てきました。最後に、同社が公表している今後の成長戦略を整理します。

◆サンリオのEC戦略 今後の展望

それぞれ解説します。

展望① 26/3期は営業利益3期連続で過去最高更新へ

サンリオは2026年3月期の業績見通しとして、売上高1,622億円(前年比+11.9%)、営業利益600億円(同+15.8%)を計画しています。営業利益は3期連続で過去最高を更新する見込みです。

◆サンリオの業績推移と見通し

売上高 営業利益 営業利益率
24/3期 999億円 269億円 27.0%
25/3期 1,449億円 518億円 35.8%
26/3期(予想) 1,622億円 600億円 37.0%

参照:サンリオ 2025年3月期決算説明資料 より

国内ではライセンス事業の牽引と物販事業の好調継続を見込んでいます。インバウンド売上も引き続き高水準で推移する想定です。一方、中長期的な成長に向けて人件費や戦略的なプロジェクト費用を積み増す方針も示されています。

展望② 複数キャラクター戦略でハローキティ依存度が半減

サンリオのキャラクターポートフォリオは、この10年で大きく変化しました。

◆サンリオのキャラクター別売上総利益の構成比推移

サンリオのキャラクター別売上総利益の構成比推移

参照:サンリオ 2025年3月期決算説明資料 より

この10年間で、ハローキティへの依存度は69.9%から35.3%へと半減しました。2024年のハローキティ50周年、2025年のマイメロディ50周年・クロミ20周年と、周年施策が続いたことも複数キャラクターの認知度向上を後押ししています。

こうして複数キャラクターの人気が分散することで、特定キャラクターの流行に左右されにくい収益構造が構築されつつあります。この安定した収益基盤が、EC投資を含む中長期的な成長戦略を支える土台となっているのです。

北米・中国を中心にグローバル展開を強化

海外戦略では、北米と中国が成長の柱となっています。

北米では、ハローキティ50周年をきっかけにクロミやシナモロールの認知度が拡大しました。26/3期はマーケティング投資に約27億円を投じ、専門店での露出拡大を継続するとされています。

中国では、2024年に上海で初開催した「Sanrio Festival(Hi!Sanrio)」に約2万人が来場するなど、サンリオキャラクター全体の人気が高まっています。店舗網も拡大しており、主要都市を中心にフランチャイズ24店舗、直営4店舗を展開中です。

グローバルでのファン基盤拡大をEC売上に転換できるかが、EC比率3割達成の鍵となるでしょう

まとめ|「ファンが嫌がることはしない」がEC成長の原動力

サンリオがV字回復を遂げた背景には、顧客データの統合だけでなく、その活用方法へのこだわりがありました。

推しキャラを会員証に設定できる機能や、購買を直接促さない文脈型の配信など、「Sanrio+」のすべてがファン体験の向上を起点に設計されています。アンケートで聞くのではなく、ファンが喜ぶ体験の中で自然とデータが集まる仕組みを作り上げたのです。

その結果、会員数は5年で約4倍の252万人に成長。店舗・EC・テーマパークを横断するデータ基盤が、7期連続営業減益からの復活を支える土台となりました。

EC比率3割の目標達成や海外展開など課題は残りますが、サンリオが築いた「ファンとの絆を売上につなげる仕組み」は、多くのEC事業者にとって参考になるはずです。

自社の顧客接点を「点」から「線」へ。サンリオの取り組みから、そのヒントを見つけていただければ幸いです。

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