攻めるダイソーの複数ブランド展開・EC戦略・顧客との共創
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100円ショップの「DAISO(ダイソー)」を運営する株式会社大創産業(以下、大創産業)は、近年、ECサイトとコミュニティサイトを開設したり、新たな店舗ブランド「THREEPPY(スリーピー)」と「Standard Products(スタンダードプロダクツ)」を立ち上げるなど、攻めの姿勢を鮮明にしています。

筆者は、同社がこれらの施策を通じて、リアル店舗の圧倒的な集客力にデジタル戦略を掛け合わせ、顧客とのエンゲージメントの構築に乗り出していると見ています。

そこで、本稿では、大創産業が取り組む複数ブランドの展開、EC戦略、そして、コミュニティサイトを活用した顧客との共創について、その特徴を紐解きながら、同社のねらいや期待される効果について考察します。

大創産業のブランド展開

大創産業は、直近の2025年2月期に単体売上高が6,765億となり、増収は14年連続となりました。

情報出所:株式会社大創産業 ニュースリリース「大創産業 前期(2024年3月~2025年2月末)売上 売上高単体6,765億円、連結7,242億円、過去最高を更新」(公開日:2025年6月17日、閲覧日:2025年12月1日)

好調な業績を維持している同社ですが、守りに入るのではなく、果敢に新たなことにチャレンジしている姿勢が印象的です。ここでは、コーポレートブランドの見直しや、店舗ブランドの立ち上げなどについて見ていきます。

新しいスローガンとロゴ

2019年3月、矢野靖二社長が就任してから1年後というタイミングで、同社は企業としてのブランド価値をより世界に向けて拡げていくため、CI(コーポレート・アイデンティティ)とロゴを刷新しました。

この時に作られたコーポレートスローガン「だんぜん!ダイソー」には、想像を超える驚きと楽しさを提供することで、顧客に「だんぜん!ダイソー」と思ってもらいたい、そのために、商品開発、快適な店舗空間、サービス向上に取り組んでいく決意が込められています。

また、新しいロゴは、DAISOのAの形がデザインされており、「人々の生活をアップデートしていく」「人々の生活をより豊かにしていく」という熱意を表現したものになっています。

◆ダイソーのロゴ(2019年3月より使用)

画像出所:株式会社大創産業ニュースリリース「CI(コーポレート・アイデンティティ)を刷新」(公開日:2019年3月5日、閲覧日:2026年1月20日)

2019年春以降、ダイソーの店舗ロゴが刷新されたことを鮮明に記憶している方も多いでしょう。従来の親しみやすく素朴な印象を湛えた「ザ・ダイソー」の文字から、現在の洗練されたデザインへの変更は、あまりにも大胆な決断でした。

しかし、長年定着していたロゴをあえて刷新したその背景には、既存の100円ショップという枠組みを超え、新たなステージへと飛躍しようとする同社の強い意志が込められていたのだと、今改めて感じさせられます。

◆ダイソーの店舗外観(イオンモール高岡西館店)

画像出所:株式会社大創産業 公式ウェブサイト「会社案内」(閲覧日:2026年1月10日)

なお、同社がCIとロゴの刷新の目的として、ブランド価値を世界に拡げていくことを挙げていることからもわかる通り、海外での店舗展開を積極的に進めています。

積極的な海外展開

2001年に台湾で海外1号店を立ち上げた同社は、2025年2月末現在、日本を含む26の国と地域に5,670店舗を出店しており、日本国内の4,625店舗に対し、海外の店舗も1,045店舗となっています(店舗数は3ブランドの合計。以下同様)。

主な国および地域と店舗数は下記の通りです。

  • アメリカ 188店舗
  • ブラジル 174店舗
  • 台湾 98店舗
  • タイ 89店舗
  • フィリピン 88店舗
  • 香港 78店舗
  • マレーシア 71店舗
  • U.A.E 51店舗
  • シンガポール 49店舗
  • オーストラリア 39店舗

※店舗数は2025年2月末現在。

情報出所:株式会社大創産業 公式ウェブサイト「会社案内」(閲覧日:2026年1月10日)

大創産業の海外店舗が1,000店舗を超える規模ということ、そして、広域に出店しているということは、各国、各地域の人々の生活に定着していることを物語っています。

参考までに、日本を代表するグローバル小売ブランドと比較すると、「ユニクロ」が1,749店舗(2025年11月末現在)、「無印良品(MUJI)」が729店舗(2025年8月末現在)となっています。

情報出所:株式会社大創産業 公式ウェブサイト「会社案内」(閲覧日:2026年1月10日)、株式会社ファーストリテイリング 公式ウェブサイト「会社情報」(閲覧日:2026年1月18日)、株式会社良品計画 公式ウェブサイト「会社概要」(閲覧日:2026年1月18日)

大創産業を含めたこれら3社の共通点は、商品の企画から製造・販売までを一貫して手がける「SPA(製造小売業)」であるという点です(大創産業の雑貨に占める自社開発商品の割合は「会社案内」によると約85%)。本稿の趣旨から外れるため詳述は避けますが、この垂直統合型のモデルこそが、海外市場への柔軟な適応と競争力を支える大きな要因となっています。

本稿で詳述する大創産業のEC戦略およびコミュニティサイトの運営は、2026年1月現在、日本国内に限定された施策です。物流網や商習慣の違いから、これらの取り組みをそのまま全海外拠点へ移植することは容易ではありません。

しかし、先行するユニクロが世界約20の国や地域でEC事業を軌道に乗せているように、大創産業もまた、国内で最適化した成功モデルを海外へ適応させていく道筋は十分に考えられます。

情報出所:talentbook「EC事業を新規展開国で立ち上げ。世界中のお客様がユニクロを待っている」(公開日:2020年10月27日、閲覧日:2026年1月12日)

特に店舗網が充実しているアメリカやブラジル、台湾といった主要市場において、デジタルを介したファン形成や販売チャネルの拡充が始まるのか、同社のグローバル戦略の「次の一手」にも、引き続き注目しておくべきでしょう。

新たな2ブランド「スリーピー」と「スタンダードプロダクツ」

2018年に事業展開を始め、2022年にリブランディングしたのがスリーピー、そして、2021年に事業開始となったのがスタンダードプロダクツです。

◆スリーピーの店舗外観

画像出所:株式会社大創産業 公式ウェブサイト「会社案内」(閲覧日:2026年1月10日)

大創産業の「会社案内」では、スリーピーについて、次のような説明がなされています。

〈あいらしい。そして私らしい。
 遊び心や彩りを持ち味にした、
 300円が中心の
 オリジナルアイテムをそろえました。
 「日用品をこころ踊るものに変えていく」
 THREEPPYはそんなブランドを提案します。〉

出所:株式会社大創産業 公式ウェブサイト「会社案内」(閲覧日:2026年1月10日)

◆スタンダードプロダクツの店舗外観

画像出所:株式会社大創産業 公式ウェブサイト「会社案内」(閲覧日:2026年1月10日)

同様に、スタンダードプロダクツの説明は以下の通りです。

〈ちょっといいのが、ずっといい。
 普段の生活で使う、日用品を
 ちょっと楽しく、使いやすく。
 環境配慮商品や、産地の商品など、
 年齢性別を問わず買いやすい300円が中心の
 スタンダードなアイテムをそろえました。〉

出所:株式会社大創産業 公式ウェブサイト「会社案内」(閲覧日:2026年1月10日)

最近では100円以外の商品も増えているとはいえ、ダイソーの商品単価の中心は100円です。それに対して、近年、新たにスタートした2つのブランドは、いずれも、中心となっている商品単価は300円です。

300円ショップというと、「3COINS(スリーコインズ)」を思い浮かべる人が多いと思います。各社が互いのブランドをどのように見ているかは別にして、多くの顧客が、ダイソーとセリアとキャンドゥを比較するように、スリーピーやスタンダードプロダクツについてはスリーコインズと比較していることでしょう。

参考記事:鈴木雄高「『3COINS』を擁する『パルグループ』独自のEC戦略」(公開日:2025年9月10日)

大創産業が展開する2つの新ブランドの前には、スリーコインズという強力なライバルが立ちはだかります。また、一部の商品領域においては無印良品も競合となり、競争は激しいものになるはずです。

しかし、現在同社が注力しているコミュニティサイトを戦略的に活用し、顧客の声を反映させたブランド磨きとファン形成に成功すれば、スリーピーとスタンダードプロダクツの成長は大いに期待できます。

これら2ブランドは、単なる新事業の域を超え、大創産業全体の事業を強力に牽引する原動力となる可能性も秘めていると思います。

3ブランドを切り替えられる便利なECサイト

店舗事業の印象が強い大創産業ですが、近年になり、EC事業にも注力しています。

同社の主なECサイトは、2020年8月30日に開設した、BtoBのECサイト「ダイソーオンラインショップ」(以下、オンラインショップ)と、2021年4月30日に開設した、BtoCのECサイト「ダイソーネットストア」(以下、ネットストア)の2つです。

オンラインショップもネットストアも、送料と送料無料条件は同じです。購入金額が11,000円(税込)未満の場合、送料が700円で、購入金額が11,000円(税込)以上になると送料無料となります。

オンラインショップはBtoB向けで、セット単位での注文に対応しています。

◆セット単位での購入に対応した「ダイソーオンラインショップ」のバナー

画像出所:株式会社大創産業 公式ウェブサイト「ネットストア・オンラインショップ」(閲覧日:2026年1月20日)

一方、ネットストアはBtoC向けで、1個単位から注文することができます。ただし、購入金額の合計が770円(税込)以上でないと注文できません。また、先述の通り、送料が無料になる条件も11,000円(税込)で、これは、本体価格が100円の商品であれば100個分に相当する金額です。

これらのことから、ネットストアでは1個単位での注文が可能とは言え、ある程度のまとめ買いを想定していることは明白です。

◆1個単位の購入に対応した「ダイソーネットストア」のバナー

画像出所:株式会社大創産業 公式ウェブサイト「ネットストア・オンラインショップ」(閲覧日:2026年1月20日)

ここからは、BtoCのECサイトであるネットストアの特徴について説明します。

ネットストアの大きな特徴として、サイトから離れることなく、3つのブランドの商品群を切り替えて表示させることができる点があります。ネットストア上部のブランドロゴをクリック(タップ)することで、簡単にブランドを切り替えられます。

◆ダイソーネットストアの画面上部(3ブランドを切り替え可能)

画像出所:ダイソーネットストア(2026年1月25日に筆者のスマートフォンをキャプチャ)

大創産業では、リアル店舗で、ダイソー、スタンダードプロダクツ、スリーピーの3ブランド複合店を出店していますが、ネットストアも3ブランドの複合店になっています。

顧客がリアルの複合店において各ブランドの区画を自由に行き来できるのと同じ環境を、ネットストアで構築しており、非常に利便性が高いサイトになっています。

◆ネットストア上の3ブランドの画面

画像出所:ダイソーネットストア(2026年1月25日に筆者のスマートフォンで各ブランドのページを閲覧した状態をキャプチャした画像を加工して作成)

顧客は、ネットストアにログインすれば、画面上部でブランドを切り替えながら、ブランドを横断して商品を買うことができます。

下の画像は、実際に筆者がネットストアで3ブランドの商品を購入しようとしている状態を表しています。

◆ネットストアで3ブランドの商品を購入する様子

画像出所:ダイソーネットストア(2026年1月25日に筆者のスマートフォンをキャプチャ)

上の画像は、「買物カゴ」に、

  • ダイソーの「日本製 カメのエサ」
  • スリーピーの「ストーンディフューザー、ローズクォーツ」
  • スタンダードプロダクツの「キットパス フォーバス 6色」

      が入っている状態です。

      1つのサイトで3ブランドの商品を購入できるということは、顧客にとっては利便性が高く、大創産業にとってはブランド横断で買物をしてもらうことで購買点数の増加が期待できるということです。

      さらに、同社にとっては、まだ店舗展開を始めて数年のスリーピーとスタンダードプロダクツの存在を多くの人に知ってもらう機会になっているということも見逃せません。

      3ブランドの国内における店舗数(2025年2月末現在)は、

      • ダイソー:3,893店舗
      • スリーピー:560店舗
      • スタンダードプロダクツ:172店舗

          です。

          情報出所:株式会社大創産業 公式ウェブサイト「会社概要」(閲覧日:2026年1月10日)

          新しい2つのブランドは店舗数がまだ少ないため、存在を認識していない顧客も多いですし、認識はしていても、店舗を利用したことはないという顧客も少なくないでしょう。こうした顧客が、ダイソーの商品を買おうとしてサイトを訪れた際、2つのブランドの認知を広げていくことができるのです。

          なお、同社によると、Instagram(インスタグラム)で商品をアピールし、リアル店舗やECサイトに顧客を誘導することに成功しているとのことです。

          情報出所:株式会社大創産業 プレスリリース「新ブランドに加え、出店強化、出店形態多様化、一般向けECによる販路拡大 大創産業、前期売上高6,249億円、過去最高を更新」(PR TIMES、公開日:2024年7月26日、閲覧日:2026年1月20日)

          ◆ダイソーのインスタグラム

          画像出所:ダイソー公式インスタグラムアカウント(2026年1月25日に筆者のスマートフォンをキャプチャ)

          特筆すべきは、同社が店頭での商品撮影を公式に容認している点です。来店客は売場で気になった商品を自由に撮影し、SNS等で投稿・共有することが可能です。これにより、顧客起点のリアルな情報が瞬時に拡散され、多大な共感を獲得する仕組みが構築されています。

          情報出所:株式会社大創産業 プレスリリース「新ブランドに加え、出店強化、出店形態多様化、一般向けECによる販路拡大 大創産業、前期売上高6,249億円、過去最高を更新」(PR TIMES、公開日:2024年7月26日、閲覧日:2026年1月20日)

          ◆ダイソーの売場に設置されている「写真撮影OK」を伝えるPOP

          画像出所:ダイソー ミレニティ中山店で筆者が撮影(撮影:2025年12月)

          日本の小売業界において、店内での撮影許可を明文化している例は未だ多くありません。同社がいち早くこの壁を取り払った背景には、顧客に対する深い信頼に加え、デジタル時代において、顧客こそが情報拡散の大きな力を持っていることに対する理解が見て取れます。自社にとってポジティブな情報を発信してくれる顧客は、単なる購入者という枠を超え、ブランドを共に育てる強力な共創者のような存在とも言えるでしょう。

          コミュニティサイト「DAISOの輪」の活用

          近年、大創産業が、矢継ぎ早に仕掛けている新たな取り組みの中でも、特に注目したいのが、「DAISOの輪」というサイトの運用です。

          「DAISOの輪」は、大創産業が2023年12月に立ち上げた、同社のブランドのファンが参加するコミュニティサイトです。

          同社では、取り扱い商品数は約4万7,000点にも上ります。さらに毎月1,300もの新商品が登場する店舗では、従業員でさえ、その魅力をすべて把握し、顧客に伝えることは物理的に不可能です。従来、同社ではSNS上の自然発生的なクチコミを頼りにしていたものの、炎上リスクやリソースの壁があり、企業として主体的に関与してはいませんでした。

          そこで同社が打ち出したのが、自前のファンコミュニティ「DAISOの輪」でした。SNSというオープンな場ではなく、あえてクローズドな場を設けたのです。

          情報出所:Web担当者Forum「ダイソーが実践する“ファンコミュニティ×事業貢献”の成功プロセスを公開」(公開日:2026年1月19日、閲覧日:2026年1月20日)

          ◆「DAISOの輪」の入口

          画像出所:「DAISOの輪」登録ウェブページ(2026年1月25日に筆者のスマートフォンでキャプチャ)

          「DAISOの輪」では、次の3つの価値を創出しています。

          • 双方向のコミュニケーション:「中の人」の顔が見える関係性を構築
          • 安心できる環境での交流:ブランドを愛するファン同士が深くつながる環境
          • ホンネデータの蓄積:販売データ(POSデータ)では見えない用途や動機の可視化

              情報出所:Web担当者Forum「ダイソーが実践する“ファンコミュニティ×事業貢献”の成功プロセスを公開」(公開日:2026年1月19日、閲覧日:2026年1月20日)

              同社はコミュニティサイトを作るにあたって、ブランドのファンの人に実際に会ってヒアリングしたところ、「ダイソーは大好きだけど、どんな人が働いているか、どんな人が商品を作っているか、中の人のことが全然見えない」と言われたといいます。このような意見を踏まえて、コミュニティサイトでは、「中の人」の顔が見える関係性を作るようにしました。

              また、クローズドなオンライン空間では、SNS空間と比べ、ファン同士が安心して本音で言葉を発しやすいという効果もあります。

              そうしたファンの発言には、顧客アンケートや購買データ分析ではわからない、定性的なインサイトも含まれており、同社ではそれを「ホンネデータ」と呼んでいます。ファンの発言から、商品を企画・開発した同社が思いもよらない意外な使用法をしていることがわかることもあります。

              同社では「ホンネデータ」を詳細に分析し、商品開発会議で議論の材料にすることもあるなど、実ビジネスでファンの声を有効活用しています。例えば、以下のような実績があります。

              • 商品開発への還元:「プチブロック」のファン座談会から新商品が誕生(2026年春に発売予定)
              • 売場の最適化:ファンによる整理整頓のアイデアをもとに、関連商品を並べ直しただけで売上が1.3倍に向上
              • アプリの進化:「目移りして買い忘れる」というファンの声から、アプリに店舗在庫と連動した「お買い物リスト」機能を実装。アプリのMAU(月間利用者数)は10万人以上増加

                  同社でDXを担当する山田亜梨沙氏によれば、ファンにとって最も重要なインセンティブは「自分のアイデアが採用された」「ダイソーのために何かできた」という貢献の実感ということです。

                  情報出所:Web担当者Forum「ダイソーが実践する“ファンコミュニティ×事業貢献”の成功プロセスを公開」(公開日:2026年1月19日、閲覧日:2026年1月20日)

                  ファンの声を店頭POPに採用したり、ファンに公式YouTubeやラジオに出演してもらうといった、非金銭的な報酬がファンの熱量を維持し、継続的な共創を可能にしていると考えられます。

                  多くの企業が、会員制度を設けたりコミュニティを運営する際に、ポイントやクーポンといった経済的な恩典によって顧客を囲い込もうとする傾向がありますが、「DAISOの輪」ののアプローチは、これとは一線を画しています。

                  同サイトが重視しているのは、顧客に「得をした」と思ってもらうことではなく、お気に入りの商品や活用アイデアを共有し合うことで得られる楽しさや共感です。こうした、ファンとの情緒的な結びつきが、結果として離脱の少ないファンベースの構築に寄与すると考えられます。

                  オンラインのコミュニティである「DAISOの輪」ですが、ファンを招いて行う店舗ツアーやランチ会など、対面交流イベントも企画しています。

                  直近では、コミュニティ開設から2周年を迎えた2025年12月には、大創産業の東京本部に約20名のファンを招いて「DAISOの輪ファン感謝祭」というイベントを開催しました。

                  このイベントで、同コミュニティの事務局のメンバーたちから、参加したファンに向けて、次のようなコメントがありました。

                  「皆さんは、DAISOのお客さまではありますが、それ以上に、私たちの“パートナー”だと思っています。今日はバイヤーやデザイナーも参加しているので、ぜひ皆さんの意見や感想を聞かせていただけたらうれしいです!」

                  「これまでに集まった投稿数は、なんと、累積8,000件を超えているんです。ぜひこれからも、投稿やコメントなどの交流を通して盛り上がっていけたらと思っております!」

                  「3年前、すでに多くの商品投稿が各SNSにアップされていた中、私たちもDAISOファンの皆さんと直接つながっていきたいと思い、公式コミュニティ『DAISOの輪』をつくりました。コミュニティのコンセプトづくりから、ファンの皆さんが一緒につくりあげてくださったからこそ、こうして2周年を迎えることができました」

                  「皆さんは、私たちでも気づかない商品やブランドの価値をたくさん教えてくださっています。これからも皆さんとともに良い商品をつくっていきたいですし、強く、長く、関係を深めていきたいと考えています」

                  情報出所:DAISOの輪「DAISO発信部!ファンと共に迎える2周年!『DAISOの輪 2周年ファン感謝祭』イベントレポート【前編】リアルな場で広がる、“つながりの輪”」(公開日:2026年1月1日、閲覧日:2026年1月8日)、DAISOの輪「DAISO発信部!ファンと共に迎える2周年!『DAISOの輪ファン感謝祭』イベントレポート【後編】バイヤーとファンが語り合った商品開発のストーリー」(公開日:2026年1月8日、閲覧日:2026年1月8日)

                  イベントでのこれらの発言から、同社がファンのコミュニティを「共創のプラットフォーム」と捉えていることが鮮明に伝わってきます。

                  企業側が気づかなかった商品の価値をファンが発見し、それをバイヤーやデザイナーが直接受け止めるという、双方向の対話が日常化している「DAISOの輪」は、企業が運営するファンコミュニティとして、理想的なものだと言えるでしょう。

                  参考記事:鈴木雄高「有隣堂の『店舗×EC×YouTube戦略』|縮小市場で勝つ理由」(公開日:2026年1月20日)
                  ※企業と顧客のオンラインでの対話に触れています。

                  公式アプリが担う不便解消・機会ロス削減・ハブ機能

                  大創産業は、2024年2月に同社初となる公式アプリをリリースしました。このアプリの最大の特徴は、国内3ブランドの店舗在庫をリアルタイムで確認できる点にあります。

                  ◆DAISOアプリのイメージ

                  画像出所:Google Play 「DAISOアプリ」(2026年1月25日にPCで閲覧した画面を筆者がキャプチャ)

                  アプリのリリース当時、在庫確認方法は、店舗を選択した後、その店舗に調べたい商品の在庫があるかどうかを確認する方法のみでしたが、リリースから1年後のリニューアルに際し、商品名やキーワードを起点として、在庫がある店舗を調べる方法も追加されました。

                  情報出所:株式会社大創産業ニュースリリース「お客様からのご要望に応え、“店舗ごとの在庫あり・なし確認”ができる機能を搭載 大創産業、初の『DAISOアプリ』を2月28日(水)リリース」(公開日:2024年2月28日、閲覧日:2025年12月20日)、株式会社大創産業ニュースリリース「、商品名から店舗在庫検索が可能となり、より快適なお買物体験を提供! 『DAISOアプリ』に在庫検索機能を拡張」(公開日:2025年2月28日、閲覧日:2025年12月20日)

                  3ブランドの中でも、約7万点という圧倒的な商品数を誇るダイソーでは、店舗の規模や立地によって品揃えが大きく異なります。そのため、顧客がSNSで話題のトレンド商品を求めて来店しても、売り切れによる欠品や、そもそも取り扱いがないことなどによって、購入できないケースがしばしば生じます。

                  顧客の期待に応えられないことは、満足度の低下を招くだけでなく、顕在化した需要を収益化できない販売機会ロスを意味します。膨大な商品数を取り扱う同社にとって、リアル店舗特有の物理的制約をいかに解消し、顧客の期待に応えていくかは、大きな課題でした。

                  この課題の解消において、公式アプリが大きな役割を果たしています。顧客が事前に在庫の有無を自ら確認できるようになったことで、来店時の「期待外れ」を未然に防ぎ、購買体験の向上につながります。

                  また、アプリのメイン機能は在庫確認ですが、「DAISOの輪」とネットストアへの導線が設置されている点も見逃せません。リアル店舗には馴染みがあっても、これらには触れたことがない顧客が大半だと思われます。こうした層に対し、アプリ内に自然な入口を設けることで、在庫を調べるという行動を、コミュニティでの交流やネットでの購入という、新しいブランド体験にスムーズにいざなっています。

                  つまり、このアプリはリアルとデジタルをつなぐ「戦略的ハブ」として機能しており、顧客とブランドの接点を広げる役割を担っているのです。

                  まとめ――リアルとデジタルが融合する共創型エコシステムの構築へ

                  本稿で紐解いてきた大創産業の、一見すると個別の施策に見える、複数ブランド展開、EC戦略、そしてファンコミュニティの運営は、公式アプリを「ハブ」として、一つのエコシステムとして機能し始めています。

                  リアル店舗での偶発的な出会いを、デジタルでの深いエンゲージメントへと昇華させ、それを商品開発や収益へと還元していく、このサイクルを回し続けることで、同社はさらなる成長を遂げていくでしょう。

                  もっとも、この循環をより強固なものにするためには、いくつかの課題も残されています。

                  その一つが、BtoB(オンラインショップ)とBtoC(ネットストア)という2つのECサイトの境界の曖昧さです。現状、両サイトは名称・UIともに類似しており、利用者が混乱を招きやすい状況にあります。今後はサイト間の差別化を明確にするか、統合ECサイトとして双方の機能をシームレスに提供する仕組みの構築が望まれます。

                  また、顧客から期待されているという「BOPIS(Buy Online Pick-up In Store。店舗受け取り)」への対応も求められます。

                  情報出所:Shopify公式ウェブサイト「売上高400%、トラフィック249%アップ! DAISOが『Shopify Plus』で実現したBtoB・BtoCサイトの両輪戦略」(閲覧日:2026年1月20日)

                  こうした課題は、個別に解決されるものではなく、アプリ・EC・店舗・ファンコミュニティを横断した設計思想の中でこそ、意味を持つものです。

                  大創産業が構築しつつあるのは、単なる販売チャネルの集合体ではなく、顧客の行動と声が循環するエコシステムです。その完成度を高めていくことこそが、価格競争に陥らない持続的成長の鍵になるでしょう。

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