ECサイトのAI活用12選

ECサイトの運営は、年々やることが増えています。商品登録、バナー作成、メルマガ配信、問い合わせ対応、アクセス解析など、気づけば、こうした業務に追われて、本来注力すべき商品開発や売上アップの施策に時間を使えていない、というケースは少なくありません。

そこで注目されているのが、生成AIの活用です。ChatGPT・Claude・Geminiといった生成AIは、もはやビジネスの現場に欠かせないツールになりつつあります。

ECサイト運営においても、AIをうまく活用することで、人手不足を補いながら業務を大幅に効率化できるようになりました。しかし、「AIが使えそうなのはわかるけど、ECサイト運営の具体的にどこで使えばいいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。

この記事では、forUSERS株式会社でマーケティングを担当している筆者が、日々の業務で実際に使っているAI活用方法を12選に厳選してご紹介します。

バナー作成から商品説明文、LP制作、問い合わせ対応、市場調査まで、すぐに実践できる具体的なプロンプト例とともに解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

ECサイト運営における「AI活用方法12選」を紹介

それでは、ECサイト運営におけるAI活用方法を順に解説いたします。

◆ECサイト運営におけるAI活用方法12選

AI活用① バナー等のクリエイティブ作成
AI活用② 商品説明文の作成
AI活用③ 商品画像加工
AI活用④ 商品登録作業
AI活用⑤ メルマガ作成
AI活用⑥ LP作成(特設ページ作成)
AI活用⑦ ブログ作成
AI活用⑧ 問い合わせ対応
AI活用⑨ SNS投稿・返信
AI活用⑩ 需要予測・在庫管理
AI活用⑪ アクセス解析・売上分析
AI活用⑫ 市場調査・競合調査

全ての活用方法に具体的な生成AIのプロンプトがあるので、実際のECサイト運営に活かしてみてください。また、この記事では「誰でも生成AIが利用」できるように特殊なツールなどは一切つかっておらず、全て無料で利用できるAIに限定して解説しております。

AI活用①バナー等のクリエイティブ作成

バナー等のクリエイティブ作成は、今までは社内や外部のWEBデザイナーに依頼して作成するものでしたが、AI活用によって、バナーはすぐに無料で作成できるようになりました。以下のChatGPTで作成したバナーのクオリティをご覧ください。

◆ChatGPTによって、筆者が作成したバナー

ハンディ扇風機のサンプルバナーをChatGPTが作成

プロンプトは以下だけです。

◆バナー作成に使った、ChatGPTのプロンプト

サンプルバナーを作成してほしい。スクエア型で作って。商材はハンディ扇風機です。

ここから、さらに、扇風機の色とキャッチコピーの変更をChatGPTに依頼してみました。

◆追加のChatGPTへのプロンプト

すごいね!ハンディ扇風機は緑色にできる?そして他のキャッチコピーもみてみたいな!

緑色のハンディ扇風機のサンプルバナー

このように、カンタンなプロンプトをChatGPTに打つことで、バナーを確実に仕上げてくれます。筆者は、Claude、ChatGPT、Geminiの3種類の生成AIを利用してますが、バナー作成においては2026年6月現在はChatGPTが最も優れている印象です。

また、生成AIは今のところピクセル数の指定をしっかり作ってくれない場合が多く、厳密に作成したい場合は、デザイナーに最終調整を依頼した方が確実です。しかし、「ざっくりで良い」という場合においては、ChatGPTだけで十分なクオリティのバナーが作成できます。

これにより、バナー1本の相場は3,000円~1万円でしたが、これらを無料にすることができます。また、バナー1本の作成時間調整を含めると3分程度でした。

AI活用②商品説明文の作成

商品説明文の作成は、よりカンタンになりました。ChatGPT、Geminiでも問題ないですが、筆者はClaudeを使って作業します。

◆Claudeで作成した商品説明文

ハンディ扇風機の商品説明文の文章のサンプル

プロンプトは以下のとおりです。

◆プロンプトの例

サンプルの商品説明を作成してほしい。架空のハンディ扇風機です。その扇風機はモーターが強くて爆風であることと、スイッチがスライド型で使いやすいのが特徴です。商品説明文は300文字程度で作成してください。

このように「ゼロ」から文章も作成可能ですし、仕入れ先からもらった製品マニュアルや資料から商品ページを作成することもできます。

このような作業は、クラウドソーシングで外注することもできましたが、その場合1本あたり200円~2000円が相場でしたが、外注している場合は、それらを無料で行うことができます。

AI活用③商品画像加工

商品の画像加工もAIを使えば、カンタンです。下記に筆者の過去に出版した書籍があります。

◆加工前の筆者の書籍の画像

筆者の書籍の画像

画像引用先:10万PVを生む ECサイトのSEO(技術評論社)

これを以下のようなプロンプトでChatGPTで加工をお願いしました。

◆画像加工のプロンプト

貼り付けた画像は、私が過去に出版した本の画像です。これを私のECサイトの商品画像にするので、売れそうな感じで加工してもらうことはできますか?

◆ChatGPTが生成した加工画像

ChatGPTが加工した書籍画像のサンプル

わずか1分で、このようにクオリティの高い画像を作成してくれました。画像加工はデザイナーが数時間、モノによっては数日かけておこなう仕事ですが、たった1分で作成することができました。

AI活用④商品登録作業

商品登録作業は、ECサイト運営において非常に手間のかかる業務のひとつです。商品名、商品説明文、価格、カテゴリ、タグ、スペック情報など、登録すべき項目は多岐にわたります。

これらの作業もAIを活用することで、大幅に効率化できます。たとえば、仕入れ先からもらったCSVや製品資料をClaudeやChatGPTに貼り付けるだけで、各項目に必要な文章を一括で生成してくれます。
筆者は実際に以下のようなプロンプトで作業しています。

◆商品登録作業に使ったプロンプトの例

以下は仕入れ先からもらった製品情報です。これをもとに、ECサイトの商品登録に必要な以下の項目を作成してください。

・商品名(30文字以内)
・商品説明文(300文字程度)
・検索用タグ(10個)
・商品スペック(箇条書き)

[製品情報をここに貼り付け]

◆Claudeが出力した商品登録データのサンプル

商品登録データのサンプル

このように、製品情報を貼り付けるだけで、登録に必要なすべての項目をまとめて出力してくれます。さらに、商品数が多い場合は、出力形式をCSV形式で指定することで、そのままShopifyやカラーミーショップなどの管理画面にインポートできる状態で書き出すことも可能です。

◆CSV形式で出力させるプロンプトの追加指示

上記の内容を、以下の列順でCSV形式で出力してください。
商品名、商品説明文、価格、タグ、スペック

従来、商品登録は1SKUあたり10〜20分かかる作業でした。外注する場合の相場は1件あたり100円〜500円程度です。AIを活用することで、1件あたり2〜3分に短縮でき、外注コストもゼロにすることができます。100商品であれば、それだけで最大5万円のコスト削減につながります。

AI活用⑤メルマガ作成

メルマガ作成もAIを活用することで、大幅に効率化できます。従来は、マーケターやライターが1本あたり数時間かけて作成していたメルマガが、AIを使えばわずか数分で仕上がります。

筆者は、メルマガ作成においてはClaudeを使って作業することが多いです。商品情報やセール情報を貼り付けるだけで、読者に響く文章を瞬時に生成してくれます。

実際に使ったプロンプトは以下のとおりです。

◆メルマガ作成に使ったプロンプトの例

以下の情報をもとに、ECサイトのメルマガを作成してください。

・商材:ハンディ扇風機
・訴求ポイント:モーターが強力で爆風、スライドスイッチで使いやすい
・配信タイミング:夏前(6月上旬)
・文字数:400文字程度
・トーン:親しみやすく、購買意欲を高める文体で
・件名も一緒に作成してください

◆Claudeが作成したメルマガのサンプル

メルマガのサンプル

このように、商品情報と配信の目的をClaudeに伝えるだけで、件名から本文まで一気に仕上げてくれます。さらに「もっとカジュアルな文体で」「セール感を強調して」といった追加指示を出せば、すぐに修正してくれるのもAIならではの強みです。

また、過去のメルマガの文章をClaudeに貼り付けて「このトーンに合わせて書いて」と指示することで、自社のブランドトーンを保ったまま量産することも可能です。

外注でメルマガを作成する場合、1本あたり3,000円〜1万円が相場です。週1配信であれば年間で最大50万円以上のコストがかかる計算になりますが、AIを活用することでこれをほぼゼロにすることができます。

AI活用⑥LP作成(特設ページ作成)

LP(ランディングページ)や特設ページの作成は、従来はWEBデザイナーやコーダーに依頼するのが一般的でした。費用は1ページあたり10万円〜30万円、納期も2週間〜1ヶ月かかることも珍しくありませんでした。しかし、AIを活用することで、このハードルが大きく下がっています。

筆者はLPのコーディングには以下のURLよりFigma の無料プランを使っています。商品情報とページのイメージを伝えるだけで、HTMLとCSSのコードをまるごと生成してくれます。

Figma:Figma MakeのAIランディングページジェネレーター

実際に使ったプロンプトは以下のとおりです。

◆LP作成に使ったFigma のプロンプトの例

以下の情報をもとに、ECサイト用のLPをHTML/CSSで作成してください。

・商材:ハンディ扇風機
・訴求ポイント:モーターが強力で爆風、スライドスイッチで使いやすい
・ターゲット:夏の暑さに悩む20代〜40代の男女
・ページ構成:キャッチコピー → 商品特徴3つ → お客様の声 → 購入ボタン
・デザインイメージ:清潔感のある白ベース、アクセントカラーは水色

◆Figma が生成したLPのサンプル

※実際のLPはもっと長いのですが、貼りきれないため以下はメインビジュアルのみです

LPのサンプル

LPのクオリティとしては、まだまだ人の手が必要な印象ですが、これをドラフトと考えると、LP作成の工数は半分以下となります。

このように、ページ構成とデザインのイメージをFigmaに伝えるだけで、そのままブラウザで表示できるHTMLコードを生成してくれます。生成されたコードをそのままサーバーにアップロードすれば、即日でLPを公開することも可能です。

また、「購入ボタンの色を赤にして」「お客様の声をもう2件追加して」といった修正指示も、Figmaとの会話の中でどんどん反映できます。デザイナーに都度修正を依頼するのに比べて、スピードが圧倒的に違います。

ただし、完全にプロが作ったLPと同等のクオリティにするには、デザイナーによる最終調整が必要です。

「まずたたき台をAIで作り、細部だけデザイナーに依頼する」

という使い方が、コストと品質のバランスとして現実的です。

AI活用⑦ブログ作成

ECサイト運営において、ブログは集客の重要な柱のひとつです。商品に関連したお役立ち記事を継続的に発信することで、検索エンジンからの流入を増やし、売上につなげることができます。

しかし「記事のネタ出し」「構成作り」「執筆」と、やるべきことが多く、更新が滞ってしまうショップは少なくありません。

そこで活躍するのがAIです。筆者はブログ作成においてもClaudeをメインに使っています。

ブログ作成は、大きく「①キーワード・構成作り」「②本文執筆」の2段階に分けてAIを活用するのがおすすめです。

◆ステップ①:記事構成を作るプロンプトの例

ECサイトのブログ記事の構成を作ってください。

・ターゲットキーワード:ハンディ扇風機 選び方
・ターゲット読者:ハンディ扇風機を初めて買う20代〜40代の男女
・文字数:3,000文字程度
・h2・h3の構成案を作ってください

◆ステップ②:本文を執筆させるプロンプトの例

上記の構成をもとに、ブログ本文を執筆してください。
・語尾は「です・ます調」で統一
・専門用語はなるべく使わず、わかりやすい言葉で
・各h2の冒頭に、読者の悩みに共感する一文を入れてください

このように、2段階のプロンプトを使うことで、構成のブレがない読みやすいブログ記事を短時間で仕上げることができます。

また、一度Claudeに自社のブログ記事を読み込ませて「このトーンで書いて」と指示することで、既存記事との文体の統一感を保つことも可能です。

ただし、AIが生成した文章をそのまま公開することは、筆者はおすすめしていません。

特にECサイトのブログは、実際に商品を使った体験談や、スタッフのリアルな声を盛り込むことで、読者の信頼を得やすくなります。「AIで土台を作り、人間が体験談を加筆する」というハイブリッドな使い方が、SEO的にも品質的にも最も効果的です。

外注でブログ記事を1本発注する場合の相場は、3,000文字で3,000円〜1万円程度です。AIを活用することで、これを大幅に削減しながら、更新頻度を上げることができます。

AI活用⑧問い合わせ対応

ECサイト運営において、お客様からの問い合わせ対応は、売上に直結する重要な業務です。しかし、同じような質問が繰り返し届いたり、クレーム対応に頭を悩ませたりと、担当者の負担は決して小さくありません。

AIを活用することで、この問い合わせ対応を大幅に効率化することができます。筆者はClaudeを使って、問い合わせへの返信文を作成することをおすすめします。

問い合わせ対応のAI活用には、主に2つの使い方があります。

使い方1:返信文の作成

お客様からの問い合わせ文をそのままClaudeに貼り付け、返信文を作成させる方法です。

◆返信文作成に使ったプロンプトの例

以下は、ECサイトに届いたお客様からの問い合わせです。
丁寧で誠実な返信文を作成してください。

・ショップ名:〇〇ショップ
・問い合わせ内容:
「先日購入したハンディ扇風機ですが、
充電してもバッテリーが満タンになりません。
初期不良でしょうか?返品はできますか?」

◆Claudeが作成した返信文のサンプル

問い合わせ対応の例

使い方2:FAQ(よくある質問)ページの作成

過去に届いた問い合わせをまとめてClaudeに貼り付け、FAQページ用のQ&Aを一括生成させる使い方です。FAQページを充実させることで、問い合わせ件数そのものを減らす効果もあります。

◆FAQページ作成に使ったプロンプトの例

以下は、当ショップに過去に届いた問い合わせの一覧です。
これをもとに、FAQページ用のQ&Aを10項目作成してください。
回答は簡潔に、2〜3文でまとめてください。

[過去の問い合わせ内容をここに貼り付け]

問い合わせ対応をスタッフが1件こなす時間は、平均10〜15分といわれています。1日10件の問い合わせがあれば、それだけで毎日約2時間が費やされる計算です。

AIを活用することで、返信文の作成時間を1件あたり1〜2分に短縮でき、対応品質のばらつきも抑えることができます。

AI活用⑨SNS投稿・返信

ECサイト運営において、SNSの運用は集客と顧客との関係構築に欠かせない業務です。しかし、毎日の投稿文を考えたり、コメントへの返信文を作ったりする作業は、地味に時間を取られます。こうした業務もAIを活用することで、大幅に効率化できます。

活用例①:SNS投稿文の作成

Instagram・X(旧Twitter)・Facebookなどへの投稿文も、商品情報を伝えるだけでClaudeがすぐに作成してくれます。

◆SNS投稿文作成のプロンプトの例

以下の商品情報をもとに、Instagramの投稿文を作成してください。

・商材:ハンディ扇風機
・訴求ポイント:爆風・スライドスイッチ・軽量180g
・文字数:150文字程度
・ハッシュタグも10個つけてください
・絵文字を適度に使ってください

活用例②:レビュー・コメントへの返信文作成

お客様からのレビューやSNSのコメントへの返信は、ショップの印象を左右する大切な業務です。毎日こなすとなると文章を考える時間が積み重なりますが、AIに任せることで一気に短縮できます。

◆レビュー返信に使ったプロンプトの例

以下のお客様レビューに対する返信文を作成してください。
丁寧で温かみのある文体でお願いします。

レビュー内容:
「風量が強くて最高です!ただ、少し音が気になりました。」

◆Claudeが作成したSNS投稿文・レビュー返信文のサンプル

お客様レビュー返信文のサンプル

SNS運用を外注する場合、月額3万円〜10万円が相場です。投稿文の作成だけであれば、AIを活用することでこのコストをほぼゼロにすることができます。また、1投稿あたりの作成時間も、従来の15〜30分から2〜3分に短縮できます。

毎日の小さな時間の節約が、積み重なると大きな差になります。1投稿10分の短縮でも、週5投稿なら年間で約43時間の時間創出につながります。

AI活用⑩需要予測・在庫管理

ECサイト運営において、在庫管理は売上と直結する重要な業務です。在庫を持ちすぎれば資金が圧迫され、逆に在庫切れを起こせば販売機会を逃してしまいます。このバランスを取るための要予測」に、AIが大きく役立ちます。

筆者は実際にClaudeを使って、売上データをもとにした需要予測と在庫管理のアドバイスを得ることをおすすめします。

活用例①:売上データをもとにした需要予測

過去の売上データをClaudeに貼り付けて、今後の需要を予測させることができます。

◆需要予測に使ったプロンプトの例

以下は当ショップのハンディ扇風機の月別売上データです。
このデータをもとに、今後3ヶ月の需要予測と
推奨発注数をアドバイスしてください。

・1月:12個
・2月:18個
・3月:35個
・4月:80個
・5月:210個
・6月:348個
・7月:412個
・8月:390個
・9月:180個
・10月:64個

◆Claudeが出力した需要予測・在庫アドバイスのサンプル

需要予測のAIのアドバイスの例

活用例②:在庫切れ・過剰在庫のリスク診断

現在の在庫数と直近の売上ペースをClaudeに伝えることで、「このままのペースで販売すると何日で在庫切れになるか」「どのタイミングで発注すべきか」といった具体的なアドバイスをもらうことができます。

◆在庫リスク診断のプロンプトの例

現在の在庫数は80個です。
直近30日間の販売数は210個(1日平均7個)です。
仕入れリードタイムは14日です。
発注すべきタイミングと推奨発注数を教えてください。

もちろんAIの予測はあくまで参考情報であり、トレンドの急変や競合の動向など、データに現れない要素は人間が判断する必要があります。

しかし「データを読む時間がない」「感覚だけで発注している」という方にとっては、AIに壁打ち相手になってもらうだけでも、発注精度が大きく改善します。

専門の在庫管理システムを導入する場合、月額数万円〜のコストがかかりますが、AIを活用することでその一部をカバーすることが可能です。

AI活用⑪アクセス解析・売上分析

ECサイト運営において、アクセス解析や売上分析は欠かせない業務です。しかし「Googleアナリティクスのデータは見ているけど、結局何をすべきかわからない」という方は少なくありません。数字を眺めるだけで終わってしまい、改善アクションにつながっていないケースも多いです。

そこで活躍するのがAIです。アクセスデータや売上データをClaudeに貼り付けるだけで、課題の抽出から改善提案まで、わかりやすい言葉でまとめてくれます。

活用例①:アクセス解析データの読み解き

GoogleアナリティクスやGoogle Search Consoleからエクスポートしたデータを貼り付けて、Claudeに分析させることができます。

◆アクセス解析に使ったプロンプトの例

以下は当ECサイトの先月のアクセスデータです。
課題と改善提案をわかりやすくまとめてください。

・総セッション数:8,200
・直帰率:72%
・平均セッション時間:1分12秒
・コンバージョン率:0.8%
・流入経路:検索62% / SNS21% / 直接12% / その他5%
・上位流入キーワード:ハンディ扇風機 選び方 / 携帯扇風機 おすすめ / ハンディ扇風機 静音

活用例②:売上データの分析と改善提案

月別・商品別・流入経路別など、さまざまな切り口の売上データをClaudeに渡すことで、売上が伸びている要因や落ちている原因を整理してくれます。

◆売上分析に使ったプロンプトの例

以下は当ショップの直近3ヶ月の売上データです。
売上の傾向と、来月に向けた改善アクションを提案してください。

・4月売上:380,000円(注文数48件)
・5月売上:840,000円(注文数106件)
・6月売上:1,240,000円(注文数157件)
・主力商品:ハンディ扇風機(全体の78%)
・客単価:平均7,900円
・リピート率:18%

◆Claudeが出力したアクセス解析・売上分析のサンプル

アクセス解説・売上分析のサンプル

データ分析の外注やコンサルティングを依頼する場合、月額5万円〜20万円が相場です。もちろんプロのアナリストやコンサルタントの知見にはかないませんが、「まずデータを読み解いて次の一手を考える」という用途であれば、AIで十分に対応できます。

分析にかける時間を大幅に短縮しながら、改善のPDCAを速く回すことができます。

AI活用⑫市場調査・競合調査

ECサイト運営において、市場や競合の動向を把握することは、売上を伸ばすうえで欠かせません。しかし「リサーチに時間をかけたいけど、日々の業務で手が回らない」という方がほとんどではないでしょうか。こうした市場調査・競合調査にも、AIが大きく役立ちます。

筆者はClaudeとWeb検索を組み合わせて、市場調査・競合調査を効率化しています。

活用例1:市場トレンドの調査

特定のジャンルの市場トレンドや消費者ニーズの変化を、AIにまとめてもらうことができます。

◆市場調査に使ったプロンプトの例

ハンディ扇風機市場について、以下の観点でまとめてください。

・市場規模と成長トレンド
・主なターゲット層と購買動機
・最近の消費者ニーズの変化
・今後注目すべきトレンド

活用例2:競合サイトの分析

競合ECサイトのURLや商品ページをClaudeに貼り付けて、強みと弱みを分析させることができます。

◆競合分析に使ったプロンプトの例

以下は競合ECショップの商品ページの内容です。
自社との比較で、以下の観点から分析してください。

・価格帯と訴求ポイントの違い
・商品説明文の特徴
・レビューから読み取れる顧客の評価ポイント
・自社が差別化できるポイント

[競合サイトの商品説明文やレビューをここに貼り付け]

活用例3:Amazonレビューの分析

Amazonや楽天の競合商品のレビューをまとめてClaudeに貼り付けることで、顧客が商品に何を求めているか、どこに不満を感じているかを一気に抽出することができます。自社商品の改善や訴求ポイントの見直しに直結する、実践的な使い方です。

◆レビュー分析に使ったプロンプトの例

以下は競合商品のAmazonレビューです。
顧客が評価しているポイントと、
不満に感じているポイントをそれぞれまとめてください。
また、自社商品の訴求に活かせるヒントも提案してください。

[競合商品のレビューをここに貼り付け]

◆Claudeが出力した市場調査・競合分析のサンプル

市場調査・競合調査のサンプル

市場調査や競合調査を専門会社に依頼すると、数十万円〜のコストがかかることもあります。もちろん専門家の調査には及びませんが、「自社の方向性を決めるための情報収集」という目的であれば、AIで十分に対応できます。

調査にかかる時間を大幅に短縮しながら、意思決定のスピードを上げることができます。

ECサイト運営におけるAI活用の3つの注意点

ここまでAI活用の便利さや効率化のメリットをご紹介してきました。しかし、AIを使いこなすうえで、知っておくべき注意点もあります。以下の3点をしっかり押さえたうえで、AI活用を進めていきましょう。

注意点①:AI生成コンテンツをそのまま使わない

AIが生成した文章や画像は、あくまで「たたき台」です。特にブログ記事や商品説明文は、そのまま公開してしまうと、他サイトと似たような内容になりやすく、SEO的にも不利になる可能性があります。

筆者がおすすめするのは、「AIで骨格を作り、人間が体験談や独自の視点を加筆する」というハイブリッドな使い方です。AIの生産性と、人間にしか書けないリアルな情報を組み合わせることで、読者にとって本当に価値のあるコンテンツが生まれます。

注意点②:個人情報・機密情報を入力しない

ClaudeやChatGPTなどの生成AIに、顧客の個人情報や社内の機密情報を入力することは避けてください。入力したデータがAIの学習に使われる可能性があるほか、情報漏洩のリスクも完全には排除できません。

問い合わせ対応や売上データの分析をAIに依頼する際は、氏名・住所・電話番号などの個人情報をあらかじめ削除したうえで入力するようにしましょう。

注意点③:AIの出力を過信しない

AIは非常に自信を持った口調で回答しますが、内容が誤っている場合もあります。特に、市場規模などの数値データや法律・規約に関する情報は、AIの出力をそのまま信じるのではなく、必ず一次情報を確認するようにしてください。

AIはあくまで「優秀なアシスタント」であり、最終的な判断は人間が行うという意識を持つことが大切です。

生成AIには得意、不得意があるから「Claude」「ChatGPT」「Gemini」など複数の生成AIを利用する

生成AIはどれも同じように見えて、実はツールによって得意なこと・不得意なことが異なります。筆者は現在、Claude・ChatGPT・Geminiの3種類を使い分けており、それぞれに明確な「強み」があると感じています。

ECサイト運営においても、用途によって使うAIを変えることで、アウトプットの質が大きく変わります。以下に、筆者の実感ベースでの使い分けをご紹介します。

◆筆者のAI使い分け早見表

用途 Claude ChatGPT Gemini
ブログ・文章作成 ◎ 最も得意
商品説明文・メルマガ ◎ 最も得意
バナー・画像生成 ◎ 最も得意
LP・コーディング ◎ 最も得意
データ分析・売上分析 ◎ 最も得意
市場・競合調査 ◎ 最も得意
問い合わせ対応 ◎ 最も得意
SNS投稿文作成 ◎ 最も得意

◎ 最も得意 ○ 対応可 △ やや苦手 ※2026年6月時点・筆者の実感ベース

Claudeが得意なこと

Claudeは、長文の文章作成や論理的な文章構成が得意です。ブログ記事・商品説明文・メルマガ・問い合わせ返信文など、「読まれる文章」を作る場面で筆者が最もよく使うのがClaudeです。

また、複雑な指示を正確に理解して実行してくれる点も、他のAIと比べて優れていると感じています。

ChatGPTが得意なこと

ChatGPTは、画像生成・バナー作成・コード生成において現時点で最も完成度が高いと感じています。本記事でご紹介したバナー作成や商品画像の加工は、ChatGPTを使うのがおすすめです。

また、プラグインやGPTsなどの拡張機能が豊富で、用途に合わせてカスタマイズしやすい点も強みです。

Geminiが得意なこと

GeminiはGoogleのサービスとの連携が強みです。GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールのデータをそのまま読み込ませて分析させたり、Googleスプレッドシートと連携して売上データを整理したりする用途に向いています。

本記事では筆者は慣れているClaudeを使って分析しましたが、同じGoogleサービスなので、Geminiの方がスムーズな場面は多いです。

また、最新のWeb情報をリアルタイムで参照できる点も、市場調査や競合調査の場面で重宝します。

生成AIは日々急速に進化しており、得意・不得意は今後変わっていく可能性があります。特定のAIに固執するのではなく、複数のAIを柔軟に使い分ける姿勢が、ECサイト運営においては最も効果的です。

まとめ

本記事では、ECサイト運営におけるAI活用方法を12選ご紹介しました。

バナー作成・商品説明文・画像加工といったクリエイティブ業務から、メルマガ・LP・ブログといったコンテンツ制作、さらには問い合わせ対応・在庫管理・アクセス解析・市場調査まで、ECサイト運営のほぼすべての業務でAIが活躍できる時代になりました。

ただし、AIはあくまでも「優秀なアシスタント」です。AIが生成したコンテンツをそのまま使うのではなく、人間の体験談や独自の視点を加えることで、はじめて読者に響くコンテンツになります。また、個人情報の取り扱いや情報の正確性には、引き続き人間がしっかりと目を光らせる必要があります。

AIを正しく活用することで、これまで業務に費やしていた時間を、商品開発や顧客との関係構築といった、より本質的な仕事に充てることができます。

まずは今日から、自分の業務のひとつをAIに任せてみてください。きっとその便利さに驚くはずです。